148 録音の魔術具
投稿がしばらく不定期になると思います。
「さて、他に質問は無いか?何かあるようなら直ぐに私に伝えるように 配慮が必要と認められたら此方としてもそれなりの措置はする それと、もう一つ連絡がある 学園の北側にある旧校舎は老朽化が深刻かつ、古代研究が行われていたようで何が置いてあるか分からないので近づかないように そして……」
マーガトロイド先生の言葉を聞き流しながら私は窓辺で黄昏れるのだった。だってさ、だってさ、先生が一人で攻略しろって言うんだもん。
{いっそ踏破してみたら?}
んなことしたら、もっと目立ってぼっちルート一直線じゃん!やだよ!
{うん、言葉遣いが幼くなってしまって一寸舌っ足らずなヴァイス概念か これは実質幼女?}
おい、何か変なの学習してきただろ。
{幼児退行、もといバブみ?いや、分からん 研鑽が足りないな、反省せねば}
いや、かっこよく言えばいいってもんじゃ無いぞ?中身だよ、大事なのは。
そんな不毛な会話に花を咲かせながら私は教室を眺めるのであった。あーあ、私もあんな風に戯れ合ったり楽しい学生生活を送りたかったな……
{諦めろ お前授業に出てないから遠巻きにされてるんだよ}
そして、今後も授業は出る気が無い。
{つまり友人が出来る可能性は絶望的だ^^良かったね^^}
おい、結論がおかしいぞ。何が良かったね、だよ。全く良くないから。あぁ、もう嫌になってきた……
ねぇ、ASMRの録音会でもしないかい?それで、音源を文化祭で売るんだ^^漫画と組み合わせて無配にするのも良いと思う^^
{無配って……同人イベントじゃないんだから 全く、シュヴァイオンリーでも開催するかい?}
いや、オンリーって君こそ同人イベントじゃないんだからそう言う言い方はよしたまえ。
でも、まあ気分は一人オンリー開催でもいいか?いや、原作複数cp展開していきたいよ、私は。
{おっと、君は現実を原作というタイプのオタクか 具体的には?}
私たちは当然行きたいし、ビーネとグラウもcp展開していきたいね。まあ、最初の年だし、2cpでリバありにする予定。
{了解}
と言うわけで来たるイベントのためにそろそろ制作に取りかかろうか。小説、プロット担当私、挿絵、漫画担当君で行こう。
{了解だねぇ^^}
完璧な布陣だよ。
あ、それと雨雫こと私が出している本の方でもcp同人を入れていこうか、と言うわけで作戦会議だねぇ^^
{いぇい^^}
{ところで質問なんだけどさ……録音する機材ってあるの?無いなら作らないといけないんじゃない?}
はっ。盲点だった……如何しよう!?えぇ、あるかどうか分かんない。
……図書館の特許発明大全でも見に行くか。
{図書館に行きたいだけだろ}
ばれた?でも、有効な手じゃない?
{それはそう}
チャイムが鳴り、HRが終わった瞬間、私は図書室へ向かった。
ペラり、ページをめくる音だけが響く閲覧室。10歳が持つにはいささか重すぎるくらいの特許発明大全を身体強化で筋力を補強しながら書見台に載せて読む。
{どれどれ……「映写の魔術具」テレビに当たるやつかな?必要魔力量が多すぎて実用化は見送られている……これは?「伝声の魔術具」電話に当たるものかな?必要魔力量が多すぎて実用化は見送られている……「録音の魔術具」来たぞ!これだ!!}
えぇっと、必要魔力量が多すぎて実用化は見送られている……だって。
{あるにはあるけど……これじゃあねぇ……}
全部魔力量の問題で実用化されてないじゃん!
{全く意味が無いねぇ}
いや、だけどあるにはあることが救いだ。だったら既にある技術を改良すれば良い。頼んだぞ^^シュバルツ君。
{えぇ……既にある技術を改良しろって言うけど……簡単じゃ無いんだぞ}
ぶつくさ言わず何とかしてくれ!ASMRのために!
{……はぁ、分かったよ}