135 美少女の輝き
所々、傷付いた肌をチラ見せし、息を少し荒くする。
「っ、はぁ…」
ガクンと膝をつきそうになりながら無理矢理、身を起こす。
「其方は中々余裕がないように見えるけど? 敗北を認めることをおすすめするね 何より、そこまで傷付きながら何故戦うの!」
天使はこちらに向かって少しだけ同情的にそう言った。
来た!天使への曇らせへの前振り^^
{本当に出来るの? あんな鳥もどきが曇らせという高尚なる行為を理解してくれるとは思えないんだけどねぇ?}
ねぇ、シュバルツ君、私達が本気を出して出来なかったことは?
{…今のところ無いねぇ}
その通り^^最近の私たちは一寸おかしかったんだよ。圧倒的に美少女の輝きが足りなかった。謎の美少女として、コンテンツ化の魔物としての自覚と行動が足りなかったんだ。だが、美少女として輝けば不可能はなくなる。
{最近の違和感はそれかっ!}
そうだよ。圧倒的美少女不足。輝いていなかった。そんな私たちがいきなり光の美少女を摂取したら死んじゃう。圧倒的な輝きを前にド陰キャを発揮する自信しか無い。
だから、まずは慣れ親しんだ闇の美少女ヴァイスを徐々に体に馴染ませる。そして、ヴァイスで闇落ちエピソードを今から作っていつかの伏線(回収されるかどうかは不明)にして、美少女を受容する準備を整える。そして、ダンジョンを出てからのハッピーライフに役立てるんだ!
{ああ、何言ってるのか途中からわかんなくなったけど、どうせ痛い思いをするのも頑張るのも君なんだから頑張れ! 応援しているよ^^}
ありがと^^ …ん?
{ど、如何したの?}
い、いや、気のせいか。まさか信頼する相棒がどうせ痛い思いをするのも頑張るのも君だからとか言うわけないよね。
{もちろんだねぇ}
だよね。…え、だよね?
「お断りよ どれだけ傷付こうが何だろうが私にはやらなくてはいけないことがあるの 悪いけど、今ここで貴方に勝ちを譲る気は一切無いわ」
キッと視線だけは強く、されど足下は一寸おぼつかないくらいが良いんだ。ホントは今すぐにでも『血塗れ姫の断罪』でこの天使を倒すことが出来るけどそれはしない。それをしたら面白くないじゃない。
「負けを認めないなら、この一撃で決めてみせる!」
「そう?じゃあ、もう遊びはおしまいね」
「貴方は私が死をもって救済してみせる! 神の恩寵!」
「血魔術! 殺戮と破壊の権化よ、等しく全てを無に戻せ! 『血塗れ姫の断罪』」
辺りに広がった血が天使を襲う。そして、こちらにやって来た攻撃の光は鎖に触れた途端『血塗れの鬱くし姫』の効果で無効化される。
「結局、貴方も私の相手にはならなかったのね…」
この圧倒的強キャラにしか許されない感じの台詞。良いですね^^そして、強いけど代償で動けなくなるヴァイスは需要しかない。
{動けなくなったヴァイスを介抱するシュバルツ、からの甘々はありですか?}
あり。
こうして、今回の天使との戦いは終結したのだった。
{もうちょっと重めの会話があった方が良かったかなぁ?}
うん、反省点が多いねぇ。曇らせが足りないかったかな。
そう、戦いは終結したが、飽くなき謎の美少女プレイへの探究心は終結しないのだった。