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134 薄幸美少女は地産地消

 「ふふっ 行きましょうか」


 先に動いたのは天使だった。サーベルに青白い光を纏わせてこちらに駆けてくる。

 「恩寵」

それを軽く身を捻るだけで躱しざまにひらりと袖を翻す。

 「血魔術! 死なずの孤高! 『血塗れ姫の王座』!」

発動したこの血魔術は発動中は致死の攻撃も効かない状態になる不死モードに入るもので全身血を被ったように衣装が真っ赤になる。ただし、最大で10分しか効果が持続しないのでこの10分で片を付けるつもりだ。


 「血魔術! 蹂躙の道を切り開け! 『血塗れ姫の茨』!」

血で出来た紅い茨を天使に向けて発射する。天使は茨をサーベルで切り裂くが、この茨は血で出来ているので切られてもどろりと溶けてまた合成されるのだ。


 {性能が良いのは私が作ったからだね^^}

痛いけどな。

 {…まあまあ…まあまあ 良いじゃ無いの^^ 薄幸美少女^^}

露骨に誤魔化したな。ま、薄幸美少女からしか得られない栄養があるから良いんだ^^


 『血塗れ姫の茨』は天使を絡め取り、しっかりと締め上げた。


 まあ、締め上げているだけこっちも痛いんだけどね”ぇ”? ……っ、ぐぁぁぁぁ”っ!!!


 マジで痛い。


 その間にも茨は天使を締め上げ、蕾を綻ばせていた。花開くまで後少しだ。

 「っん、何のこれしきっ! 打ち破ってみせる! そして、私が貴方を倒す!」

ぶちっ。ぶちっ、ぶちっ。

 {あ、抜けられたね 茨を引き千切るとはまさかまさかの予想外だよ 天使は鳥頭だから脳筋なのだね…}

もはや哀れむように蔑んでる…

 

 そして、茨の拘束を抜けた天使はこちらに向かって飛んできた。空中戦のお誘いだ。

 {よし 痛々しいというベクトルを見せてやろう^^}

おう、痛々しさと薄幸さを強調してくれ^^自傷形態の本領発揮だ!


 「血魔術! 禁忌に狂い咲け! 『血塗れの鬱くし姫』!」

全身を紅い痣が走り、唯でさえ紅かった衣装が痣からの出血でより紅くなる。

 {血の紅い鎖、血の弾丸、血の大鎌使い放題だよ^^ あと、一切の外部干渉を無効化しちゃうよ^^ さらに、意味も無く痣、出血、目のハイライト消去、入れます^^}

流石相棒。よく分かっているじゃないか^^お楽しみの鬱々病みモードだ!


 「さあ、遊びましょうか」

鬱蒼と微笑み、全身に侵食する痣を見せつけるように裾を翻し地を蹴った。

 

 鎖を手頃な柱に巻き付け、巻き取り、立体機動を実現。高所で聖光を乱射する天使に接近。聖光は鎖に触れた途端かき消え、大鎌でサーベルと渡り合う。特に意味も無く血のエフェクトを生み出し、そのたびに痣の量が増えていくことで傷付き戦う美少女が高速生成されている。

 {ムシャァ^^}


 痣の量が増え、血のエフェクトが生成される度に天使が少し痛ましそうな表情をする。

 {今更、同情して良い子ぶりやがってもなぁ! 手前らの自分勝手さは十分知ってるんだよ!}

だが、曇らせにはもってこいだ!


 痛みに耐えるような表情を時々作りながらーというかもう作るとかじゃなくてマジで痛い。リアルなら一発アウト級の痛みを何回喰らったと思ってんだー鎌を振るい続ける。


 {いやぁ、君の痛みに耐える表情良いねぇ^^えっちぃよ^^}

この欲望と性癖の塊め。あとで覚えてろよ。


 {あとで、百合漫画(シュヴァイの退廃的共依存本)献上するんで許してくれませんか?}

……ロリヴァイス本、シュバルツ君の×××な本、ヴァイシュバで×××な本も追加で書いてくれるなら許す。

 {要求多くない?}


 …参考資料作りくらいは手伝ってあげる^^

 {やります。爆速で仕上げるので撮影会させて?新作ASMR台本の読み上げも行いたいねぇ^^}


 ……いつの間に?

 {君の試験中に脳内でASMR台本作ってたのだよ}

何それ羨ましいんだが。

 {美少女への解像度は確実に上がっているから期待したまえ^^}

もちろん楽しみだねぇ。美少女は何通りもの味わい方があるんだ^^みんな、美少女で脳を焼け^^

 {世界は美少女でできている^^}

 その通りさ^^


 まあ、特に私が好きな味わい方は愉悦かな。推しの泣き顔、絶望顔でメシウマしてる部類の人間さ^^ハピエン厨だった頃の私からは想像もつかないくらい歪んだねぇ^^

 {…愉悦?}

分からないなら、ネットに聞け。君が整備した脳内ネットは優秀だぞ。


 {(検索中)……頭おかしい激重過去とかヤンデレバドエンとか人間不信こじらせるのとか、かい?}

その通り^^倫理観は一回その辺に捨ててくれ。一回読め。はまるぞ。






 {ガチャリ、と音がした、それは現実世界の音ではなく、私の脳内世界の扉が開く音 ドアノブがくるりと回り、眩しく白い光を漏らしながら、ゆったりと開かれていく 扉のプレートに刻まれた名が、これまで日の当たらなかった(性癖の)世界への入口を示すように煌々と輝いていた…}

きゅ、急に如何した…


 {…あ、あの………




 …めっっっっっちゃ良い トラウマが引き起こすコンプレックス、闇落ち、悲恋、劣等感、皆殺しからの生き残り、恋人の植物人間化、親しい人間に裏切られて人間不信、上げて落とす展開、歪な愛からの監禁、希望を片っ端から打ち砕かれる、洗脳、嫌われ、リスカ、過呼吸、戦闘ストレス反応、可愛そう、無限ループ、NTRれる、罪の背負い込み、フラッシュバック、生きるためにあがこうとして容赦なくやられる、依存、過呼吸で咽び泣く、普通トラウマ、孤立、喧嘩別れ、虐待苛め監禁飢餓、拷問、絶望顔、泣き顔、記憶喪失、人形化、過保護化サイドのトラウマ、捨てられ、精神支配からの精神崩壊…}


 長いわっ。簡潔にまとめろ!

 {あの、愉悦最高ですね^^}

 

 (※現実においてこれらの行為を推奨しているわけではありません。あくまで創作の範囲内での話です。)


 あ、戦わなくちゃね。危ねー 今の一撃、食らいかけたわ。

 {そうだった、今戦闘中だったわ 忘れてたぜ☆}

 



 


 


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