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133 血塗れ姫の断罪

 咲き誇る薔薇が天使から魔力を絞り取り、死に至らせる。

 「何故だ! 何故勝てない! っ救援はまだ来ないのか!?」

え、まだ救援が来るの!?は、普通に怠いんだが。

 {仕方ない 増援の到着するまえに今いる者達を片付けるよ!}


 「血魔術! 殺戮の夜を統べ、全てを静謐に返せ! 『血塗れ姫の処刑鎌』!」

2本の長剣の代わりに紅い大鎌がずるりと血だまりから現れた。

 

 己の一部であるかのように大鎌を操り、回転で勢いを付けながら薙ぎ払う。放たれ続ける聖光を鎖で弾き、血の弾丸を連射する。正確に天使の急所を打ち抜き、意識を奪っていく。


 そして、大鎌で全ての天使の意識を刈り取りきった。

 {よし、血のストックは十分だ! 『血塗れ姫の断罪』を発動してくれ!}

了解!

 「血魔術! 殺戮と破壊の権化よ、等しく全てを無に戻せ! 『血塗れ姫の断罪』!」


 詠唱が終わったその途端、その場にある全ての血がぞわりと浮き上がり無数の刃となって天使達に襲いかかり、襲われた天使達は無数の細かい粒子状にまで細かく刻まれた。そして、それらがぞわりと首をもたげた血ーそれ以外に形容しようがないーに呑込まれ、血は一滴残らず消えた。


 一旦、勝った? …のかな。

 {ああ、あと問題なのは増援とやらだな どれ位の強さのやつがやって来るのかねぇ まっ、何が来ても返り討ちにするだけだけど} 

相変わらず殺意がMAXで笑。


 「へぇ、これで終わり? つまらないのね」

虚空に向かって話しかける。一見するとヤバイやつだが、私は確信している。謎の美少女プレイセンサーが囁いているんだ。このタイミングで隠れていた敵が出てくる展開が来ていると。


 「…聞き捨てならないことを言ってくれるな 其方も浄化に消されそうだったのに? 案外其方も大したことが無い」

思った通りだった。出てきたぞ^^ラスボスだ^^

 {え…何で分かったの!? え、久しぶりに君が怖いと思った え、センサー怖}

心外な。最近は断然君の方がやばいだろ。


 「…其れこそ心外ね 私は少し遊んであげただけよ」

嘆かわしいと言わんばかりに気怠げな表情を作れば、天使も白々しい顔をして話しかけてくる。


 「遊んだだけ、で、この惨状か… まあ、良い こちらとしても確信が持てた 其、いや、悪魔公よ、 今になって如何して封印から目覚めた?」

 {如何しても斯うしても、全部ヴァイス、君のせいだねぇ 君が勢いに任せて宣戦布告してるし}

え、私に責任転嫁?この惨状はどう考えても君が天使絶対滅ぼす族だからでしょ。


 それに私は、君の執念が私をあのダンジョンに呼び寄せたと信じているよ。断じて私はトラブルメーカーではない。

 {嘘つけ}

秒で返すな!傷付くだろ。

 {え?君にそんな繊細な心があったの?}

…こ、こいつ、失礼さがカンストしてやがる。お豆腐メンタル舐めんな。

 {だから、その豆腐は角に頭をぶつけて自殺できるタイプのやつでしょ? 知ってる知ってる}

んな訳あるか。何かその訳知り顔が腹立つんですけど。

 {はっ、もしかして、「私の訳知り顔に腹を立ててくれてる=私が君の意識を独占している」と言う式が成り立つのでは!? え、可愛いかよ^^}

おい、錯乱してるぞ。正気を取り戻せ。「嫌よ嫌よも好きのうち」とか言い出さないだろうな?

 {なんで分かったの?}

……怖。


 「何故私がその問いに答えなくてはならないのかしら? 乙女の秘密を探ろうとするなんて無粋ね」

 「乙女? とうに10000歳は超えているだろう?」

確かに乙女と言うには無茶があったか。それに私だって前世30代女性である。乙女と呼ばれる時期はとっくの昔に過ぎ去っていると言っても過言ではない。

 

 「あら、年齢の話をするなんて褒められたことではないのだけれど?」

 「…まあ良い 其方に答える気が無いことは分かった」

そう言った天使は肩に掛かった金髪をパサリと手で払って、腰に差していたサーベルを構えた。

 「あら、お喋りはもうおしまい? ふふっ、良いわ エスコートしてあげる 一緒に踊りましょう」

さあ、意味深な台詞も決まった!久しぶりに謎の美少女プレイ行っくよ~!!!

 {イエーイ! ミステリアス(かつ)可愛そうな薄幸美少女を演じちゃおう~~~^^}

テンション上がってきたぁ~^^



 

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