126 学園ダンジョン1
さて、シュバルツ君。ここで脳内会議を開かせてくれ。一寸相談したいことが出来た。
{どうしたんだい?}
えっとねぇ、この学園では単位数1000を取得するとね、とあるカードが貰えるんだよ。
{とあるカード?}
そう。カード。学園内のダンジョンへの入退場を管理してくれて、宝箱からのドロップアイテムを売買したりするときの証明書にもなってくれる便利アイテムさ。
{おお、凄いな それで?君もそのカード貰ったんだよね?}
もちろんだねぇ^^
{ダンジョン通い放題^^素晴らしいじゃないか^^}
そうなのだよ。そうなのだけど、ダンジョン通い放題と講義最速合格記録を更新していくのとどっちを優先して進めようかな?って迷っててさ。もちろん今日は一回ダンジョンを覗きに行く予定だよ。
{確かに両立を考えると悩ましいな ダンジョンに一生籠もっては居られない、かといって講義一色の生活もちと辛い むむむ意外と難しい問題だな}
でしょう。本当に如何しようか。
{まあ、そんなに難しく考えなくても良いんじゃ無い? ダンジョン通いは週二日、他の日は試験に費やすとかで良いと思うけど}
だよね、うん。まずはダンジョンに行ってみないことには分からないよね。よし、行こう。
{行こっか^^ あ、一回カード見せて?}
良いよ。
{…ふむふむ、攻略履歴とかの記録システムは一回誤魔化す方向で良いよね 多分君またとんでもない攻略記録打ち立てるよ…}
え、誤魔化すとか出来るの?というか誤魔化した方が良いの?
{ダンジョンでヴァイスしたいならセレナ・ナロウが何層まで潜れるかは低めに見積もって身バレの危機を回避すべきだと思うね}
成る程。一理ありまくりだよ。じゃあ、そういうことで学園のダンジョンに突撃しようか!
{おー!}
やって来たのは学園の奥、ダンジョン棟だ。受付とダンジョンの扉がある。魔術具で自動化されているのか、受付のカウンターに人影はなく、ダンジョンの扉にカードをかざすと扉はあっさりと開いた。
それじゃあ、攻略進めていきますか!
暗い道を進みながら現れる魔物を一掃する。周囲に張り巡らせた防御結界に雷を纏わせて襲ってきた魔物を撃退。正確に急所に向けて火球や水球を連射することで魔物は次々と倒れていき、私の後ろは死屍累々という有様だ。
軽く周囲の索敵も行いながら探索していくと、ふと壁に違和感を感じるポイントがあった。
{隠し部屋のようだね}
壁に雷撃を放つとあっけなく壁は崩れ、小部屋が見つかった。
宝箱だ^^っとその前にこいつらの相手をしないといけないようだね。
宝箱の前に立ち塞がるのは20体のゴブリン。手には杖やらサーベルやら斧やらを持っている。こちらを捉えた途端駆け出してきた。
{まずは回復担当から行くよ あの右端の緑の杖を持っているやつだ}
了解っと。一発、炎で作った鳥をたたき込む。回復担当を中心に周囲7、8体を一掃。残りがいきり立ってめちゃくちゃに魔術を乱射したり切り込んでくるが、回避。大渦で再び一掃して勝利だ。
宝箱を開ける。白い杖が出てきた。
{回復術士の杖だね 回復を行う度に回復対象の魔力量が一時的に引き上げられるようだよ 中々良い品だ}
ふむふむ。売れるかな?
{…正直、供給が多くなければ高値がつくと思う^^}
よっしゃ、どんどん攻略しよう^^
{おー!}