124 閑話 チェイスアフタースイサイド
ATTENTION!!!
またまたセルフパロディ 。こわどり様の 楽曲「ようやく君が死んだんだ」をかなり意識して書きました。本編ともカニバリズムスイサイドとも別軸です。
今度はヴァイス視点で。
概要:無理矢理シュバルツに寄生され、あまり心を許してなかった系のシュヴァイ(ヴァイシュバにも見えるかな)。屹度こうなるよなぁという自己妄想。
死ネタ注意。しかもすっごく短い。
「シュバルツが死んだ」
其れは天使を撲滅しきった最後の戦いのときのこと。最後の一瞬のことだった。君が死ぬべき絶対の理由なんて無かった筈なのに君は天使の最後の一撃を相殺するために、天使を滅ぼしきるために自らの命を天秤に乗せた。そして死んだ。綺麗な笑みを浮かべて。
其れを目前に見たとき私の心中に湧き上がった思いは…
筆舌尽くしがたい歓喜だったのだろう。
ようやく君が死んだから。自由になれたんだから。好きに生きよう。天使の撲滅なんて付き合わずにほのぼのダンジョンを攻略しよう。
好きなだけ寝て朝寝坊しようか。あ、これは君がいたときと変わらないか。それでも自堕落な眠りは心地よく夢は見なかった。
ああ、そうだ乾杯しよう。ご馳走と共に君の悲願の達成を祝ってあげる。その日の夕食は酷い味だった。
そうだ、気になってた美少女とデートしよう。そして、家に帰ったら美人な妹と戯れよう。屹度君がいたら邪魔された。こんな穏やかな時間なんて無かった。
でもこれからずっと楽しく面白おかしく過ごしてやろう。
「君が死んだ!さあ、今日は何をしようか」
そうやって空白を埋め尽くさないと、時間を使わないと、気が付いてはいけないことに気が付いてしまいそうで頭が可笑しくなってしまいそうで、喜びを裏切る不整脈が嫌になる。
消えない君の記憶の残り香が酷く実体を持って脳裏に現れる。瞼裏をよぎる君の笑った横顔と無防備に預けられた背中。
「相棒だからね」
思い出の中の君の声が私の呼吸を奪う。本当に君はそう思ってた?何もかも預ける振りして、何も預けてくれなかったじゃない。
生きる理由も、死ぬ理由も、死出の同行者にも私は為れなかった。そうだ、私は君の生きる理由になりたかったの?
如何して気が付いちゃったかな?君が好きだったなんて。悲しみと怒りに苛まれ続けた君の最後、其れは屹度君の救済だ。だから私だけでも祝ってあげる。他に祝う人なんて居ないのでしょう?そうやって祝杯を今日も挙げるの。終わりが口腔から全身を侵食する。
「さよなら」
なんて言わない。だって必要ないから。
君が死んでも割り切れない、心に深く根を張りすぎた愛情を今捧げようか。
早く走り出そう。君の輝きを探しに行かなきゃ。遠のく意識下で走馬灯は見ないんだと脳天気なことを考える。
大丈夫、すぐ迎えに逝くから。ようやく君に会えるんd
END
後書き失礼します。
メリバが性癖な作者です。毒杯自殺も癖ですね。今回はヴァイスに毒杯を呷って貰いました
次回から本編再開だよ。
死ネタセルフパロディシリーズまたやりたいですね。