120 魔術基礎
今日は魔術基礎の試験を受ける。実技試験と言うことで空いている演習場こと演習場7に魔術基礎の先生こと担任のマーガトロイド先生に試験を依頼している。
「一応確認しておこう セレナ・ナロウ、君は本気で講義を一度も受けずに試験を受ける気か?」
「ええ、何か問題でもありましたか?」
「いや、無いな 君がその気なら構わない 魔術基礎の試験は初級魔術を1つ披露すること それと、あちらに置かれた10個のリングの中に魔術を通すことだ ただしリングに魔術が触れてはならない」
「分かりました」
それくらいなら余裕だな。
「初級魔術・雷球を披露します」
「分かった やれ」
とことん愛想の無い人だなぁ…
手を広げる。雷球。現れた雷の球はパチパチと光りながら手の間を輝いている。
「…無詠唱か? まあ良い初級魔術雷球の使用を確認 発動時間、安定性、威力共に申し分ない セレナ・ナロウに単位25を与える」
「ありがとうございます」
あ、詠唱忘れてた。
「次はどんな魔術でも良いからリングの中に魔術を通せ」
「分かりました」
うむむ、何の魔術を披露しようか?
{火球とかは?小さい方があのリングのサイズ的に良いじゃん}
それはそう。
手をかざし、リングより一回り小さい火球を作り出す。出来た。すっとスタートさせる。曲がりながらリングを通過させていく。スピードを出す。緻密なコントロールが無いとこのヘアピンカーブで失敗するだろうがこれ位出来る。コントロールの出来ない豪快系の残念美少女はもういない!ここにいるのは繊細なコントロールもちょちょいのちょいな完璧美少女だ!
「…っ発動時間、安定性、威力共に申し分ない セレナ・ナロウに単位75を与える」
「ありがとうございます」
ふぅ。終わった終わった。帰るか。
「失礼します」
帰ろ。
レポートを提出して寮の自室に戻った。
「あ、え、ちょ、もう解いたのか!?」
「は?え、仕上げるの早すぎでは!?」
「一応掲示していたけどもう提出するとは誰も思わないよ!?」
先生方が何か言っていたがそんなものは聞こえない。聞こえ無いったら聞こえないの!
{君、目立ってるねぇ}
私はさっさと自由になりたいだけなんだけどねぇ。まあ、その内埋没できるでしょ。
{…無理では?}
目立ちたくないの!目立つのは謎の美少女プレイの邪魔になるの!
{そうですかい…}
夕食を食べて就寝。おやすみなさいなの!
そして、朝が来た。授業開始4日目だ。今日は午前中に音楽の試験、午後に作法の試験を予約している。
あぁ、怠い。作法の試験嫌だ。堅苦しくていつまで経っても慣れないよぉぉぉ。
{それでも公爵令嬢か!}
…でも、
{「でも」も「だって」も無い!良いからさっさと単位取ってこい!}
君、熱血系に転職でもした?
後書き失礼します。
残業上等系作者です。
昨日8/30、国木田独歩様お誕生日おめでとうございます!!!
ということで昨日、「武蔵野」読みました!