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12 寄子伯爵のパーティー

 私の社交デビューパーティーから私は本格的に社交界に出ることになる。


 そして、私の社交デビューパーティー後、初のパーティーは、ナロウ公爵家の寄子のムレン伯爵が主催するパーティーになることに決まった。簡単に言うと同派閥のものたちと友好を深め合う会だ。


 私も一応派閥の頂点の公爵家のものなので、友好の輪を広げるのは義務みたいなところがある。というか周りからよってくるはず、だよねぇ?


 ということで王都にあるナロウ公爵家の屋敷から、東のムレン領まで移動する3日の馬車での小旅行が開催される運びとなりました。パチパチ~ まあ転移すればひとっ飛びだけどね。ということで王都の屋敷を母と、ミルトと一緒に出発した。


だが、ここで問題が一つ発生した。この世界の馬車はとにかく揺れるのだ。

 「ミルト、これ、どうにかならないのかしら?」

 「申し訳ありませんお嬢様 こればかりは諦めていただくほかございません」

マジか、最悪である。


 なあシュバルツ君や、どうにかしてくれないかい。

 {君だけ揺れを感じないようにすることくらいなら、今すぐできるけれどどうするかい?}

もちろん頼むねぇ。ありがとう相棒^^

{どういたしましてだねぇ^^}


 そうして、シュバルツ君のおかげで快適な旅路を満喫できた私は、予定どうり三日目の午前中にムレン領に到着したのだった。


 「馬車からもみたけれど、ムレン領は人の出入りが多いのね」

 「ムレン領は大きな街道が2本通っておりますから、商人が多く、商業が盛んな地でございます」

ミルトは何でも知っているのではなかろうか。


 ムレン領に着いた私たち一行はムレン伯爵家からの出迎えを受けた。

 「皆様、この度は、ムレン領へようこそお越しくださいました」

 「出迎えご苦労です ムレン伯爵」

母がムレン伯爵に挨拶を述べた後に私たちは客室に案内された。


 「それでは昼食の時に会いましょう」

 「かしこまりました お母様」

部屋の前で母と別れた私は、ミルトと客室に入った。


 「ミルト、昼食までどれくらい時間があるかしら?」

 「支度にかかる時間を除くと1時間ほどでしょうか いかが過ごされますか?」

 「そうね、少し休憩するわ お茶をいれてくれる?」

 「かしこまりました」


 小一時間ほどゆったり休んだ私は昼食のために着替えていた。新しく誂えたばかりの薄い黄緑のワンピースは、胸元から膝の布がグラデーションになっていて、差し色に、薄いピンクの刺繍が入っている。春らしいので、この春に誂えたものの中でも特に気に入っている。


 着替え終わると、昼食会場へ向かう。会場にはすでに、数人がそろっていた。


 昼食会が始まった。貴族らしい腹の探り合いと、駆け引きが行われているのを尻目に私は食事を楽しんでいた。まあ、そういう交渉は大人の仕事だ。母も知り合いの伯爵夫人たちと、話しているようだ。


 昼食はつつがなく終わった。


 いや~食べたなあ。あのローストビーフ思わずおかわりしたくなるほどおいしかった。まあ、公爵令嬢がおかわりなんてできないけど。


 「お嬢様、一度部屋に戻った後、3時から庭園で子供だけの交流会がございます」

 「わかったわ ミルト」


 シュバルツ君、庭園で交流会だってさ、楽しみだねぇ。

 {君、謎の美少女プレイ以外にも楽しいと思えることがあったのかい…..}

全く君は私のことを何だと思っているんだろうね。まあ庭園でミステリアスイベントをするときの参考にって、考えなかった訳じゃないけどね。

 {やっぱり謎の美少女プレイ絡みじゃないか..}

そう言われたらそうだねぇ。でも夜のティータイムとか良くないかい?いつか開催しようねぇ^^

 {いつか開催しようねぇ^^}


 3時になって交流会が始まった。私の元に挨拶に来る子たちが集まってくる。

 「セレナ様、ごきげんよう 私は~」



 …..「セレナ様、ごきげんよう それがしは~」

子供だけなのに、挨拶回りに来る人多すぎ。もう飽きてきたんだけど。

 {君、案外短気だねぇ…..}

いや、代われるものなら代わってほしいねぇ。もう12,3人は聞いたから飽きが来るんだよ。仕方ないことだねぇ。


 やっと、挨拶の波が引いたねぇ。いい加減疲れたよ。お菓子でも食べようかな。フロランタンも、マカロンも、美味しそうだねぇ。


 お菓子はおいしいけど、適度におしゃべりするのにも疲れが来るのだ。気を遣うことは多いしねぇ。一回トイレに行こうかな。


 庭園を出るときにお花摘みにいくと言うと簡単に外に出られた。


 トイレを探しながら歩いていると、シュバルツがいきなり話しかけてきた。

 {何か微量の異様な気配を感じるねぇ}

急にどうしたんだい?

 {戦える人間の感じだよ しかも人を殺しなれている感じの気配だ 隠しているつもりかもしれないが、このシュバルツ様の目までは欺けないねぇ}

面白い、ちょっと、見に行ってみようか。そいつはどこにいるんだい?

 {次の角を右に曲がって、2番目の部屋だよ}

君の探知能力はすごいねぇ。

 {当然のことだねぇ^^}


登場人物・語句の語源

ムレン 愚痴

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