113 歓迎会1
貴賓棟の談話室で歓迎会は行われる。談話室の左右の扉の先にそれぞれ男子寮と女子寮がある。そして、異性の寮には入れないように識別の魔法陣が設定されているんだとか。
{ま、私の手にかかったら識別の魔法陣を騙すくらいお茶の子さいさいだけどね^^}
出来るの!?
{出来るよ^^まあ、男子寮に私たちが行く意味がないけどね}
それはそう。
談話室のある1階まで階段を降りていく。その途中で声を掛けられる。
「お久しぶりね 体調は如何?」
「オランジェット!お久しぶり 体調はもう大丈夫よ 手紙ありがとう存じますわ」
「大丈夫そうで良かったですわ 貴女と一緒に学園生活を送るのが楽しみですわ」
「私こそとても楽しみにしていたのですよ」
はぁ~矢っ張り美少女との会話が一番疲れに効くよ^^
{美少女が特効薬みたいになってる…}
シュバルツ君?急に常識人振るの止めない?さっきまでとあまりに調子が違うんだが…
「1年生の皆さん 学園へようこそ 我々上級生は貴方たちを歓迎します!」
先輩の歓迎の挨拶が少しあった後、各自席に案内されて先輩と歓談を楽しめるようだ。
{見たところ一つのテーブルに1年生2,3人に先輩2人くらいかな}
固定のテーブルに着かずに立食形式の食事を楽しんでいる先輩もいるので全ての先輩がテーブルに着いているわけではない。むしろテーブルに着いている先輩の方が少ない。
「お初にお目にかかります 私、ナロウ公爵家長女、セレナ・ナロウと申します 以後お見知りおきを」
まず私から挨拶をさせて貰った。同じ公爵子女でも、入学試験首席だし。
{謎にカルドと張り合うな}
「お初にお目にかかります 私はゲレールター公爵家長男、カルド・ゲレールターと申します 以後お見知りおきを」
同じテーブルに案内されたカルドが私に続いて挨拶をする。会うの久しぶりだ。
「お初にお目にかかります 私、ヴィンター侯爵家長女、オランジェット・ヴィンターと申します 以後お見知りおきを」
最後にオランジェットが挨拶した。何となく成績良い組を集めたのかな?と思うような面々だ。
「これはこれは丁寧にありがとう それじゃあ私たちも自己紹介と行こうか」
そう言って微笑んだのは私の右隣に座っていた小柄な先輩だった。
「私はリデル侯爵家三女、アミーカ・リデル 4年Aクラス1位だよ! 魔術工学研究室の天才発明家というのは私のことさっ!」
そう言ったアミーカ先輩は長いミルクティー色の髪を揺らしてそう言った。眼鏡越しの鳶色の瞳は好奇心に輝いている。
{あれだ、白衣が似合う合法ロリ天才研究者枠だ 動物で例えると猫、自由人の予感}
わかりみしかない。身長が全くないわけじゃないけど完全なる幼女体型。
「私はサンセル伯爵家長女、エリサ・サンセル 5年Aクラス1位ですわね 学内の城取りクラン、アブソリュートスローンの代表を務めさせていただいております」
この人はあれだ、身長高いしめっちゃ美人だ。勿忘草の色をした薄青の髪は後ろできっちりとシニヨンに結われている。青空の色をした瞳は優しい色をしていた。
{スタイルいいな^^腰高いぞ、足が長い美人っていいよね}
君の着眼点が草。
{というか一回会ったことあるよね、喋ったし}
え?いつ?
{兄の文化祭見に行って迷子になったとき}
へ?…マジ?
{マジですね}
忘れてた…えぇ、如何しよう。私、道を教えてくれた素敵な美少女のことを忘れてた…最悪の失態を見せてしまったね…この体たらくではとても美少女愛を語れないね…
{暗い、暗いぞ}