104 君の居ない冬4
シュバルツ視点。
注意!
本日は4話連投してます!
小鳥のさえずりで目覚める生活をずっと続けている。
まあ、目覚めるとは言えど、私の意識が覚醒するだけで君は目覚めないし、私がいつも見たり聞いたりすることが出来ているのは、起きたら実体化せず精神生命体のあの黒靄状態(8話参照)で抜け出しているだけだ。なお、透明化しているし、何処でもすり抜けられる。都合の良い傍観者になれるというわけだ。
もう、君が眠りについてから幾日が経過しただろうか。時計の針は今日も進む。あの日の欠片に、会話の残滓に取り憑かれた私を置いて。
まァ、後ろを向き続けていたところで何かが変わるわけでは無い。とは言えど、だからといって前を向くだなんて陳腐な三流作家の書いたような台本に付き合ってやるつもりは無いけれど。
何時だって斜に構えて色褪せた世界に倦怠を覚えながら生きているのが私だろう?生に執着していることにかけては誰にも劣るつもりは無い。そんな執念が君を呼び寄せ、この出会いを生んだのだろうか。分からないけど一つ分かった。私は君を手放してやる気なんて欠片も無かった。
「これからも一人で生きるなんて退屈するね 君が戻ってきてくれないことには私は困ってしまうよ 君は私の主にして相棒なんだから私を内側に飼い慣らす義務があるんだ 一人、私を置いて逝くなぁんてぜぇったい許さないよ、ふふっ、ふ、あはっ、あははははっ」
溺れていく、水底へ。見えない筈の気泡が見えたような気がした。絡め取られて絡め取って。足下から溶かされていく。
「唯の興味じゃぁ終わらないだろうね 大丈夫、私の予言はよく当たるから」
丁度その場にあったので手に持った万年筆をクルクルと回して私は鬱蒼と狂気を孕んだ笑みを浮かべた。ははっ、自分でも何でこんなにも君に執着するのか、自覚した途端に分からなくなってしまう。まァ分かったところですることは変わらないから構わないだろう。
とりあえず、君を私に縛り付けないと。あァ、君が自由に奔放に振る舞う様は見ていて楽しいからね。とりあえず君が私から離れるということも思いつかない様にすれば良い。精神支配は悪魔の特技だからね。ふふっ、忙しい、忙しい。
後書き失礼します。
「DARKNESS MY SORROW」を永遠にリピってる作者です。
きーやん!!!好き。(唐突な告白許せ?)
いやぁ、病みましたねシュバルツ^^いいぞ、もっと病め!!!
お知らせ!
次回の更新は8/16になります。
(次回からセレナ視点に戻らせていただきます)