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1 転生しました セレナです

みなさん、初めまして、棚です。

初投稿なので、つたない部分もありますがどうか温かく見守っていただきたく存じます。

 私、セレナ・ナロウが前世を思い出したのは6歳の頃だった。よくある頭を打つだの、病気で寝込むだのラノベのテンプレではなく、ぼけっとしていたらふと前世の記憶を取り戻した感じだ。


 前世の私ー井上美晴ーは典型的なオタク会社員で、喪女だった。確か、死因はようやく立てた一軒家の中の書庫に本棚を搬入していたら、本棚が私の方に倒れてきて圧死だ。なんともあっけない。


 そんな前世の私の趣味は読書だった。特にラノベが好きで、その中でも、恋愛小説「庶民派聖女の下剋上」(略して庶民聖女)が私の最推しの作品だったのだ。

 

この小説は男爵家庶子の主人公リーべが聖女だと判明し、魔王を倒すために王子やその他高位貴族令息と絆を深めていく王道恋愛ファンタジーだ。最終的には王子と結ばれてハッピーエンド。王道だが、謎解き要素があったり、戦闘シーンの完成度が高かったり、恋愛要素以外も色々楽しめた記憶がある。いろいろメディアミックスされて、最終的にアニメ2期まで放送されていた。私が死んだ時点では、だけど。


 そしてセレナ・ナロウはこの小説の中のサポートキャラだ。セレナの生まれたナロウ公爵家は、リーべの実家のヘルツ男爵家が所属する派閥の長に当たる。


 聖女と判明したリーべは10歳のときナロウ公爵家に養女として迎え入れられる。小説の中のセレナはリーべの義姉にあたり、リーべと他のキャラの間の橋渡しや高位貴族のことをリーべに教えたりしていたはずだ。


 記憶を取り戻してからの私は考えた。それはもう知恵熱が出るほどに。


 この世界は、小説 庶民聖女の世界観と一致している。魔法がある階級社会で、ダンジョンや魔物、魔王の復活も予言されている。


 しかし本当にこの世界は小説通りの世界なのだろうか?たしかに世界観は同じだ。だが、前世熱心な同人作家だった私の脳裏には、この世界は二次創作の世界だという可能性がよぎった。


 二次創作。それは読むだけでは飽き足らず自身の手で妄想を広げていく行為。かくいう私もすぐにその沼に引きずり込まれた記憶が…


 ゲフンゲフン、私のことはどうでもいいから、庶民聖女の二次創作の話をしよう。


 よくあったのが、王子の婚約者である悪役令嬢が真っ当になってやり直すもの。あとは、何故か魔王と主人公が結ばれるものだの、モブ転生無双とか。


 そして大概ナロウ公爵家は二次創作に出てくる。


 例えばある悪役令嬢ものなら闇組織(原作にない)との関わりを暴露されて没落。主人公も道連れ。


 例えばある魔王との恋愛ものなら何故かヤンデレとなった魔王によって家族皆殺しで、主人公の闇落ちに貢献。


 例えばあるモブ転生無双ものなら…これは何故かセレナがモブ転生者の百合ハーレムに入れられていた。


 そう、原作では特に描写が多くないので二次で好き放題描かれているナロウ公爵家。かくいう私も二次創作を書くときナロウ公爵家についてはいろいろねつ造したり、便利に使っていた。でも、セレナに転生して思う。二次創作界隈の皆さん、ナロウ公爵家の扱い酷くない?


 それはともかく、この世界は庶民聖女関連のどの世界なのだろうか…

登場人物・語句の語源


セレナ 晴れ晴れとした、穏やかな

リーべ 愛

ヘルツ 心臓


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