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SLOW STEP -東京事変編-【1巻】  作者: じゃがマヨ
寿司と言ったらシーチキン
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第14話


 何が言いたいかっていうと、「磁場」を生み出す源は基本的に電流しかなく、電流が作り出す「場」として、磁気的現象を定義しなきゃならないってことだ。


 磁場を発生させるにはいくつか方法があるが、少なくとも、磁性を持つ金属を自由に動かすだけの磁力が必要になるには、フィールドの中に巨大な磁石を設置するか、コンデンサ等に蓄えた電流を瞬間的に放電して、短時間だが強い磁場を得るパルス磁場などがある。


 条件が合わない。


 レザックが磁石を体内に結合させていたとしても、強力な磁場そのものを発生させるためには、新幹線並みの電力が必要になる。


 Eクラスにいる電人(エレクトロ)でもいない限り、諸条件を満たすことは不可能だ。


 “一部の方法”を除いては。



 西園寺リョウ。



 ヤツは磁気圏(マグネター)と呼ばれてて、電磁場を操作、生成することができる。


 強力な磁場を展開することで、磁力に関係する物質をコントロールすることが可能だと豪語していた。


 実際に何度も戦ったことがある。


 喧嘩を売ってくるのは、いつもアイツだが。


 演習場でのルールや規則は基本的に対戦者同士の二者間、——つまりフィールド内の行動を前提に定められているケースが多い。


 例外は「フィールド外」でのこと。


 対戦者同士の戦いの中でフィールドに侵入してくる人がいたら(そんなバカはいないが)、それはルール違反だし、対戦中に外部から情報を得ることも、基本は禁止されている。


 タブーなのは、“外部の人間が演習中の生徒に能力的な補助をする”こと。


 能力のコントロールを学んでいる未熟な私たちにとって、外部からの能力の供給は危険な状況を生んでしまうケースがあるため、もっとも重いルール違反とみなされている。


 バレたら即刻退学…とまではいかないが、長期間の謹慎処分は免れない。


 現に半年間学校中の清掃をやらされた先輩もいた。


 能力をうまく使いこなせない後輩を助けようと、観客席から援護したせいで。


 


 

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