【短編】私は何が何でも悪役を務めないといけません
数多くの中から見つけていただきありがとうございます
なまっていますが最後まで見てくれると嬉しいです
今後ともよろしくお願いします
これは、我儘で傲慢な有名な悪の少女の話だ……だが少女には理由があって悪役を演じているのである……
「ねえ? 貴女は私の言う事が聞けないの?」
扇を広げ口元を隠し、目を細め相手を見下しながら命令しているのはフェイスティア・レイティー
ガルイア国の王族の次に爵位の高い公爵の娘だ
「さっきから私の話が聞こえてないの? 私の恩をお忘れで?」
「い、いいえ……ですが、」
「言い訳は結構よ!」
怯えた様子でフェイスティアに怒鳴られているのはメイドのレイ
「もういいわ! 早く出て行って!」
フェイスティアは虫を払うような仕草でレイを部屋から追い出した
部屋にはフェイスティアだけになった
「もう行ったわよね?」
部屋の中にあるノートを取り出し何やら書き始めた
神様
妹は元気ですか? 私は元気です
妹はまだ怒ってますか? 怒ってますよね?
私は皆の前で本音を出せないのがつらいですが、神様の前では本音や妹の話ができて嬉しいです
おやすみなさい
菜乃子
悪役っていつまで続けるんだろう?
皆に酷い事をするのはもう嫌だわ
フェイスティアは前世の記憶があるその記憶は菜乃子と言うとても心優しい妹思いの女性だ
菜乃子は4歳下の妹の麻衣香がいる
それはとてもとても可愛い妹だ、だが麻衣香が家で突然倒れたのだ
麻衣香は病院に運ばれ『余命1年』と言われた
菜乃子はその言葉にショックを受け部屋にこもるようになった
部屋にこもって1ヶ月後に【神様】が現れた
神様はこう言った
『妹を助けたいのですか? 助けたいのならガルイア国と言う国の子に転生しアマリアを幸せにするため悪役を演じてください』
その言葉に菜乃子は頷き転生したのだ
そして今のファイスティアに転生したのだ
アマリアと言うのはファイスティアの義理の姉だ
お姉様と麻衣香が何故か重なるのよね……
それは良いとして! どうすればお姉様を幸せに……
ファイステアは考え事をしているうちにまぶたが落ち眠りにつくのだった
「ふぁぅー」
あくびをしているのはファイスティアだ
「私ここで寝ていたの? 何をしていたっけ?」
目を開け机の上で寝ていたことに気づき驚いている
「ノートを書いていたんだわ!」
机の上にはノートが置かれておりフェイスティアが書いた文の隣には誰かが書いた文があった
フェイスティアはその分を見て嬉しそうに微笑んだ
神様からだわ! 何々?
貴女の妹は元気ですよ 私も元気です
妹さんが貴女に『もう怒っていないよ、私の心配より自分の心配をして? お姉ちゃんは自分の好きなことをたくさんして、幸せに暮らしてね! 私達は毎日幸せだから』
だそうよ
私も貴女には大変な役割をさせたわ アマリアを幸せにできたら何でも好きなことをして良いから
悪役になれって言ったのは悪役が居ないとアマリアは幸せになれないのです。
貴女に負担をかけると思いますがどうか頑張ってください
寝る時は風邪をひかないようにベッドの上で寝てね!
もう怒ってないのね……何かしら目から水が
フェイスティアは目から涙を流していた
私こんなに家族が大切だったのね、今の家族も大切にしたい!
そうは言ってもお姉様を幸せにするためには悪役になるしか方法は無いし
今の家族には申し訳ない
でも……恩は今で返さなくちゃ! 断罪されても隣国に逃げる、殺されそうでも自分の身は自分で守る!
コンコン
心の中で決意をしているうちにノックが聞こえる
レイかしら? でも昨日キツイ言葉を言ってしまったんだ
「レイです お嬢様入ってもいいでしょうか?」
「いいわよ」
扉が開かれた
「お嬢様」
「何かしら? くだらない話ならやめてくれる?」
「私お嬢様に伝えたいことがあります」
? 辞めるのかしら? 散々酷い事をしてきたし当たり前か
なんだか寂しいわ
お姉様を幸せにできたら宝石やお金を送ったら喜んでくれるかしか?
「私に?」
「はい」
レイは弱々しい声を出して
『私はもうどうなてもいい』と言うような姿勢で喋りだした
「お嬢様は何故何時も命令をするのに私達に対して悲しそうな顔をするのですか?」
!? 何故? 私はそんな顔してたっけ? バレないようにしなくちゃ
「何が言いたいの?」
「お嬢様は苦しんでいらっしゃいますよね?」
「そんなことはない、貴女クビになりたい?」
「今もそうですお嬢様鏡をご覧ください」
フェイスティアは急いで鏡の前に行き顔を見た
私はこんな顔をしていたのね、これじゃあ私が無理にしているみたいじゃない
「知らないわ! そんな事!」
「いいえ全部話してください アマリア様を苦しめているつもりですけど私にはアマリア様を無理に苦しめているようにしか見えません! 何故そんな事をするのですか?」
「いいえいいえいいえ私は好きで苦しめているのよ!」
フェイスティアは涙を流し言い訳を考えている
どうしよう、涙が出てるわ
なんて言い訳をどうしましょう
「ほら、お嬢様は今泣いておりますよ? 悲しいなら私に話して見ませんか?」
フェイスティアは本心には嘘をつけなかった
涙を流しながらレイの腕の中で泣き続け本当の事を話す決意をした
「私は前世の記憶があります」
「はぁ……?」
「信じられないでしょうが信じてください」
「はい」
何時間も話をしてレイは親のように話を聞きちゃんと信じてくれた
周りに気遣ってもらっていたのね! レイだけに本当の事を話したけど本当のことは誰にも伝えられ無い
「お嬢様安心してください私は信じます」
「信じてくれてありがとう」
「いいえ、お嬢様は幼い頃私に大切なことを教えてくれました」
ふふ
二人は仲良くなり今後の計画を立てた
「アマリア様の幸せ? ですよね?」
「ええ、でも何か方法が」
「ああ! お嬢様王子様ですよ」
「王子様?」
王子様ってなんだ?
「この国の第二王子ですよ」
「なぜそこで第二王子の話がでるの?」
「第二王子はアマリア様と同じ歳で学園でもクラスが同じで何人物が仲良く話しているのを見たそうですよ」
そうなのね
でもどうすれば?
二人はまた考え始めた
するとフェイスティアがいい案をおもいついたのだ
「匿名で婚約願いを出すのは?」
「それはいい案ですお嬢様」
「では今から書きましょう」
「そうですね」
ルイ・ガルイア殿下
アマリア様を幸せにしてください。
こんな風で良いのかしら?
「こんなので良いの?」
「ええ、多分」
不安になりながらもこの短い文で出すことにした
手紙を出して数日後の事
レイティー邸に馬車が来た
その馬車に乗っているのは第二王子だ
フェイスティアは急いでお迎えに上がった
「ルイ様、こんにちは! 何用でしょうか? もしかして私にようですか?」
「違う! 用があるのはアマリアだ!」
ルイはフェイスティアを邪魔とでも言うような態度を取っている
「お姉様に何用で?」
「お前には関係無い」
「関係無い? 関係はありますよ? 家族ですので」
フェイスティアは首を斜め横に動かし『わからない』と言うような形を取っている
「何でしょうか?」
アマリアはルイが来たと知り急いでルイの元へ行ったのか息切れだ
「お姉様? なぜここに?」
「レイがルイ様が来てると言うので」
レイ、ナイス!
フェイスティアはレイに向かって目で『ナイス』と送った
「そう」
突然ルイがアマリアに近づいた
「アマリア私と婚約をしてくれないか?」
「え……?」
「私は貴女を愛してる!」
「わ……私もです」
二人は以前から両思いだったのかアマリアもすぐに答えた
「ルイ殿下? 私の方が良いと思いますよ?」
「何が言いたい?」
ルイはフェイスティアを睨んでいる
何? 今部屋の温度が2〜3度低くなったような
「そのまんまの意味ですけど?」
「もう良いお前の声をアマリアに聞かせたくない」
アマリアが驚いた顔をしながらも顔が赤くなっている
照れているのだろう
「ルイ様? どう言う意味ですか?」
「アマリア庇うのはもう良いアマリアはこの女に奴隷みたいに扱われて居たのだろう?」
「な……なぜ、それを?」
アマリアは驚きつつもフェイスティアに何をされるかわからないから唇が震えている
フェイスティアは驚いたフリをしながらどう逃げようか悩んでいる
「フェイスティアお前を国外追放にする! 本当は断罪にしたいがアマリアが悲しむかもしれないからな」
「どう言うことですか? 私は何もやっていません」
「何を言う? お前がやった事は全部ここに証明がある」
「嫌よ嫌よ嫌よ嫌よ___全部お前のせいだお前のお前のせいだ許さない覚えておけ!」
フェイスティアは絶望の声を出して泣き崩れた
その間に二人は家を出ていきそのまま王家へと行った
フェイスティアが国外へ行く日になった
「ちゃんと償って来て私達は会えないかもしれないけど貴女は私の子だからちゃんと生きて償うのよ」
両親は涙を流しながら手をふる
フェイスティアはそのまま馬車に乗り隣国へ飛ばされた
フェイスティアはアマリアを幸せにでき嬉しかったがそれ以上に嬉しいことがあった
それはレイが一緒についてきてくれることだ
「お嬢様もう本当の自分を出せますね! 頑張って一緒に生きましょうね!」
「ええ、私は妹との約束をはたすために頑張って幸せになりますわ」
フェイスティアは妹そして姉を幸せにした。
隣国で幸せを掴みに歩むのだった
その話は別で___
続編を出そうか悩んでいます
最後まで読んでくれてありがとうございます
他の作品の続きを頑張って書きます。
心配しないでください