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俺は今いくらかの札を握っている。それぞれには確か一から十三まであって、ジョーカーを引いて最後まで持ち続けたら負けというルールだ。
「ふにゃん」
そう腑抜けた声を出したのは、猫撫で声でとろけたのは、先輩失格である姿をうかつにも見せたのは、トレイシーちゃんだった。ババ抜きとは思えないほど俺に密着したトレイシーちゃん(それじゃトランプが見えてゲームが成り立たないという突込みはすでにした。)は俺の反応を確かめるかのように上目遣いになる。リンダさんは怪しく笑う。一体ここはどんな地獄だ。時は俺が生徒会室に来た時に遡る。
「久しぶりじゃないか!」
快哉を叫ぶかのように大声を出したのは、生徒会長と題された机に傲然と座るトレイシー・マーセル、トレイシーちゃんだった。リンダ・ジョンソンは一貫して無表情だ。
まあ確かに久しぶりにはなりますね。
俺はそう答える。
「待っていたぞマイケル!」
満面の笑みで告げたトレイシーちゃんの、その喜びは手に取るように分かった。ああ、だがあれだ。因果が発生しているのかどうかはわからない。何せトレイシーちゃんはまだまだ子供だしな。もしかしたら人が増えたからうれしいという単純明快な思想なのかもしれない。
「む、馬鹿にされたような気がする」
トレイシーちゃんはいぶかしむような表情になる。
いえいえ、まったく馬鹿にしていませんよ。
俺は肩をすくめてみせる。
「本当か?」
本当です。
「本当の本当に?」
ええ。間違いありません。
「ならよし!」
このようにトレイシーちゃんはまだ子供である。こんなことを思ったが故、トレイシーちゃんの視線がまた厳しくなる。またさっきの押し問答が繰り広げられるのかと思った刹那――
「さあ、久闊は十分に叙しましたね。では、ここで親善も兼ねてゲームをしましょう」
そういったのはリンダ・ジョンソンだった。
いやいやリンダさん。その論理接続は十分におかしい。どこが「では」なのか俺には全くわからないのですが。
「わからないということですね。では、わかるようになるためにゲームをしましょう」
いやいやだから――
「ゲームをしましょう」
……はぁ、リンダさんはいつから単一的なロボットになっちまったんだ。
「つまり、あの作戦を実施するというわけだな」
「ええそうです」
トレイシーちゃんとリンダさんの怪しいつぶやきに俺は身震いした。
「マイケル、右を引いて?」
丸見えのジョーカー。こてんと首をかしげるトレイシーちゃん。絡まりあっている俺とトレイシーちゃんの腕。俺にはこの状況を果たしてババ抜きをやっていると断じていいのか甚だ疑問だった。
いやいやトレイシーちゃん、こういうのは申し訳ないけれどジョーカーが右にあることが丸見えですよ。それをわざわざ引くってのは――
「引いて?」
トレイシーちゃんは目を潤ませる。はぁ、いったい何だっていうんだ。俺はなぜこんな責め苦を受けなくてはいけないんだ。一つ嘆息すると俺は左を引いた。つまり、俺の勝ちだ。すると――
「「え」」
リンダさんとトレイシーちゃんは声を合わせ、あたりの空気が固まったような気がした。
「リ、リンダ、これは一体どういうことだ」
「わ、私も想定外でして……」
二人は何か囁き合っている。
まあ、俺の勝ちなんで。じゃあ、帰りますね。
「え、ええ、さようなら」
「あ、ああ、気をつけてな」
俺はさっさと身支度を整えると、生徒会室を出た。しかし、俺の責め苦はまだ続く。何せ下校がジョン・ハリスと同じだからだ。ああ、あいつは確かに人畜無害だ。だが、あいつは何せすごく顔がいい。つまり女子の視線がいたいということだ。ああ、俺も本当はあいつとなんか一緒に帰りたくない。だが、残念ながらあいつの友達の枠には今のところ俺しかいないしな。甘んじて受け入れてやろう。そんなことを思いながら下駄箱に靴をしまうと、やっぱりイケメンってのは何でもに合うんだな、校門に寄り掛かる美少年がいた。
I take the class of Germany. Wie geht des wir? That spell might be mistaken. But, if it is right,it means, "how are you?" And, then there is a caveat, that is, culture difference, which is, Germany people talk deeply about how you are, so, it is natural that the answer to that is adopt to how you really feel.化物語では英語で書かれている部分もあると聞きました。僕も英語で書こうかなと思っています。




