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あるところに立ち入った瞬間、血生臭さが鼻につくようになった。そこは、最初はなんの変哲もない平原であったのに、ごくわずかな変化、そう、頼り甲斐のあるジェイレンさんでも気づけないような変化で森へと誘い込むと、一気に違和感を放出した。「こりゃぁまずい」と一言洩らしたジェイレンさんの眉間には皺が寄っている。なにがまずいのか、俺はそれを言われなくてもすぐにわかった。いや、そんなことなどこの匂いを嗅いだ時点でみんな分かるだろう。俺たちはプレイ、餌食、つまり、格好の餌と成り果てたのだった。
「とりあえず、一旦ここで固まってあたりを見回すんだ。どんな些細なことでもいい。何かあったらすぐに俺に報告しろ」
そう囁いたのはジェイレンさん。なおも厳しい顔を崩していない。
俺たちはあたりに気を配る。辺りは気味が悪い、全身が総毛立つほどの静寂が支配している。
「あ、あのーー」
佐々川さんが声を上げる。
ジェイレンさんが振り向く。
「ーー蜘蛛の巣みたいなものが散見されるのですが、一体どういうことでしょうか」
「そうか、・・・・・・これは、最悪なのを引いたな」
ジェイレンさんの眉間の皺はより深くなる。なぜか。これは俺も一知半解でしかないが、蜘蛛の巣があるということは蜘蛛がいるということだ。ああ、あの、口からしゅぱっと糸を吐くあの虫だ。それがどうしたのか。そんなもの、踏み潰せばいいじゃないか。きっと諸君はそう思うだろう。しかし、この世界、そう、俺にとっては、そして諸君にとっても新たな世界であるこの場所は、あらゆることが元の世界とずれているのだ。同じに見えていた?そりゃそうだろう。共通する部分だってたくさんあるんだから。だが、まあ、ここでは一言、蜘蛛は、いや、ほとんどの肉食動物は、熾烈な個体差競争により巨大化した。
学校が忙しいです。




