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「<サンダー・レイン>!」
キーナーのその一言を契機に雷が豪雨の如く降り注ぐ。
「<障壁>」
俺がそう言うと、俺の周りをほんのりと青い透明な障壁が囲む。
キーナーのサンダー、その須くが俺に届く前に障壁に弾かれる。
「だったら・・・・・・こうよ!<神の光槌>!」
これはこのままではちいとばかし厳しいな。
堅牢な門戸よ、ここに現前せよ。<スパルタン>
キーナーの雷が堅牢な門を模した一段階上の障壁に激突する。
バチバチッと刺激音が走り、閃光があたりを照らす。
そして莫大な光量の中へ辺りの景色が消える。
再び風景が蘇ると・・・・・・そこには未だ、堅牢な門戸を模した障壁があった。
浮遊魔法を使って空中にいたキーナー、セーラ・キーナーは地上へと降りてくる。
「はぁ、今回も私の負けかしら」
ああ。俺に一回も攻撃魔法を使わせることができなかったからな。
事実、防御魔法は展開速度が速いものの、攻撃魔法の相殺の方が確実だ。
「すごいです!」
佐々木さんが爛々と輝かせた目でそう言う。
まあ、佐々木さんは頭を使う魔法を得意とはしないから今回のは本当に「すごい」んだろう。
ああ、この子は何て残念なんだろう。
なぜ俺たち、俺とキーナーが戦っていたのかと言うと、ただ単に鍛錬をしようと言うことになったからだ。
それまでは各々で鍛錬をしていたのだが、それだと実践形式が練習できないと思い立ったらしい。
らしいと言うのはこれがキーナーの言であるからだ。
そこで、今回はまずキーナーと俺、明日が佐々木さんと俺、明後日が佐々木さんとキーナーということになった。
翌日。
俺が佐々木さんを振り払う。
飛ばされた佐々木さんは後ろにあった木のしなりを使ってもう一度猛スピードで俺に迫る。
切っ先を俺の喉元に向けて。
俺はそれを剣の腹で方向を変えることによって避ける。
着地した佐々木さんはすぐに体勢を立て直して上段蹴りを繰り出す。
それを身を翻して躱すと、今度は左足が飛んでくる。
それを剣でいなす。
尚も佐々木さんは剣と蹴り技とを交えた連撃を続ける。
今度も俺は一つ一つに丁寧に対処する。
そうすることによって佐々木さんに余裕がなくなってくる。
その隙をついて剣の切っ先を佐々木さんの喉元めがけて刺す。
当然、佐々木さんはそれを避けようと剣の腹で受けようとする。
すると、それによって視界が塞がれる。
その一瞬の隙をついて後ろに回り込んだ俺は佐々木さんの頭に寸止めで剣を入れ、勝利宣言をする。
「あはは、また負けちゃいました〜」
佐々木さんが朗らかにそう言う。
まあ、これは上から目線かもしれないが、強くはなっているんじゃないか?
そんな感想を宣った俺は、水で喉を潤す。
「(ゴクゴクゴク・・・・・・)ぷは!まあ確かに前よりかは手応えがありました」
「ほんっと、あんたらって化け物よね。冒険者ならまだしも、学生でこのレベルって本当に気狂いの類だわ」
安心しろ。お前も仲間だ。
「・・・・・・まあそうだけど。はぁ、私ってなんなんだろう・・・・・・」




