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佐々木さんとキーナーとキャッキャウフフとしていた俺だが、そんな楽しい時間は海の突然のうねりで終わりを告げた。
キーナーは不倶戴天の敵を睨むかのように、佐々木さんは目が点になりながら、俺はアンニュイにその方向を見ると、大きなタコがいた。
足をウネウネさせている。
さながら「ヌルフフフ、殺せるといいですねぇ。卒業までに」と言わんばかりだ。
まず初めにキーナーが走った。
さっきまでのほほんと海を楽しんでいたふやけた表情は消え、今は目の前の敵に一心不乱だ。
次に佐々木さんが走った。
何でも「セーラさん。手伝います!」らしい。
そして手持ち無沙汰になった俺は、二人の後を追いかけるために走った。
決して面倒だから側から眺めてようとかは思っていない。
片足が水に沈む前にもう片方の足を出す。
すると水面は地面のように走れるようになる。
道中、キーナーが指示を出す。
「私と佐々木が陽動!マイケルが仕留めなさい!」
ええ、面倒くさい。
なんてことは全く思っていない。
先に着いた佐々木さんとキーナーに注意が行ったタコは、俺のことなど気に留めちゃいなかった。
そんなに美少女がいいですかね。
俺はタコの足の一つからタコの胴体に肉薄する。
ヌメヌメとした粘液で足がほつれそうになるのを踏みとどまって、最大速度で接敵する。
刹那、タコの目が俺を捕らえた。
その目は節穴じゃなかったってことだな。だが、もう遅い。
俺はタコの本体の座標を特定すると空中に飛び上がり、こう詠唱した。
「須く照らす太陽よ!須く燃やす極炎よ!今ここに現出したまえ!その火は混淆をも焼き尽くし、その光は歴史の先駆者となるだろう!穿て!<インフェルノ・サン>!」
すると、頭上から都市一個が入りそうなほど大きい隕石、いや、火の玉が落ちてくる。
それはタコに当たるや否や燃やし尽くした。
ふむ、上出来だ。
俺は自分に賞賛を送った。
「死ぬところだったじゃない!」
「でもセーラさん。マイケル君だって必死だったんです」
「そんな問題じゃないわ!あんなん、都市一個を破壊し尽くすのも簡単だわ!」
まあまあ、佐々木さんもそう言っていることだし。
「何他人ヅラしてんのよ!あんたの問題よ?!」
はぁ、これだからキーナーは。
「・・・・・・何よ、あんたが一番悪いのはどうしたって変わらないからね」
「ま、まあでもマイケル君の魔法すごかったです!」
ん?だろ?
「はぁ、あんたがそうやって甘やかすから・・・・・・」
これは無双では?




