元ヒロインと元悪役令嬢の今世で
現代日本に転生した王子とトゥルーエンドを迎えた元ヒロインと元悪役令嬢。
高校で再会した2人のとある放課後、会話の一幕。
「あー、神良さーん」
「ん?あぁ、百合ヶ丘さん」
「んもー、前みたいにリリーって呼んでってばぁ」
「は?まじ却下だわ」
「せっかくお友達になったのにぃ」
「勝手にクラスチェンジすんなし。前からほんとそう言うとこ厚かましいよね百合ヶ丘さん」
「カミラちゃんが硬いんじゃーん」
「あんたが緩いんだよ。その呼び方やめろ」
「えー。ね、まだ怒ってる?でもさー。あれは私だけのせいじゃなくない?」
「……まぁ、全責任があんたにあるかって言われたら、否定せざるを得ないわ」
「カミラがお硬すぎたのも原因だと思うの。だから今回はもうちょっと緩く行こうよ〜」
「は?十分ゆるゆるだわ。あんた、あれからテコ入れ入ったっしょ?言っとくけど前の私、物心つく頃からだから」
「ぅええ?マジで?あのスパルタ??きびつぃぃ〜」
「男のために15年スパルタ教育受けてて、ぽっと出のゆるゆる女にその男掻っ攫われたら……あんたどうする?」
「えーーーー……取り返す?」
「為には?」
「男と…女にも文句言う?」
「ふぅーん。そしたら女がさ、『私たちお友達だしぃー?え?ジェラっちゃった?ププっ、マジウケる。あ、でもあんたの彼氏と今度映画見にいくけど気にしないでねぇ〜?』って言ったら?」
「はぁ〜〜っ?うっざ、うっざ!」
「 それな 」
「ぅえーぃ。ごめんてー」
「とりあえず繰り返すな。としか言えんわ」
「しないよー。今は。ちゃんと聞いてるし〜」
「“付き合うの誰にも内緒だよ”とか言う男は気をつけなよ〜」
「……えっ」
「……え……ないわー」
「えっ、えっ、でもちゃんと聞いたし、居ないって」
「だからあんたそのチョロゆるだからそう言う事になんのよ。前から思ってたけど、あんた男ばっか侍らせてるから同じことになるって学習しな」
「だぁってーぇ、女友達できないんだもぉん。私の何がダメなんだろー」
「…………存在?」
「ぴぇぇぇぇぇん」
「マジでうざい」
「カミラちゃんお友達になってぇ〜」
「断固断る」
「なんでぇぇぇぇ」
「寝取りそうだから」
「しないよぉぉぉぉ。ぅええ〜?私連続で2人作ってすぐタヒったから〜、そう言うのはちょっと無理っていうか〜」
「私は1人目の後だったわ」
「えぇー?!そうなの?!」
「まぁねぇー。あの時代の出産って命懸けどころかロシアンルーレット」
「わかる。保健体育で震えた〜。だから気軽にできないよねー」
「貞操観念が今頃爆誕」
「前もあったよー!一応学園ではしなかったし?ダーリンだけだったもん」
「当たり前だし。王家に嫁入りしてビッチはないわ。即死刑だわ。家族まで巻き込まれ事故だわ」
「今の時代に生まれて良かったぁ〜」
「それな。あ、こんな時間だわ。塾行かなきゃ」
「えっ、ねーねー、カミラちゃんLINE交換しよーよぉー、お友達登録してぇ〜、寝とんないから〜ぁ!」
タヒるは「死ぬ」って意味なんですけどほんとの生死の関わる時に使うものじゃないですが、敢えてです。
どうしても書きたくって。後悔はしてませんっ(笑
笑ってくださると幸いです(o´罒`o)