1.死語の世界
俺は西城修一
17歳男子高校生ごく一般的な家庭に生まれ、高校に通い、普通に進学して、就職、後にベンチャー企業を立ち上げきっと一大資産家になっていただろうと思われる。
が、
現実は下校中になんの前触れもなく意識を失った。
そして、"ここ"である。
眩しいくらい真っ白な部屋……いや、空間である。
将来の有望性を評価されて、某国あたりの特殊部隊に拐われたんだろうか。
『こんにちわ』
少なくとも、英語圏ではなく日本ではあるらしい
え!女性ですか?LINEやってる?
『こ・ん・に・ち・わ』
「あ…あー、スゥ、こ、こんちゎ」
怖い怖い怖い、相手が見えないのに挨拶を求められたんですけど。
信じられんわー
まじないわー
『某国ではなく、神様でーす』
「は、はぁ、え、なんすか、だ、誰ぇ?、怖い怖い、冗談よしてくださいよ」
『……冗談かぁ、だったらよかったんだけどなぁ』
冗談じゃないらしい。神様が言ってた。
「いやいや、いいんでそういうの、で、何処すかここ。
住所、住所」
『うーん、天国』
おぉ、日頃の行いかな
『いや、ある意味地獄?かな』
あーあ、そんなことだろうと思った身代金とかね、ありがちで非日常な最悪~。
『あー。取り敢えず、君は死んだ。どぅゆーのー?』
「死んだってどう言うことです?
い、生きてますよ。ホラ」
体を動かして見せる。いや、動かない。正確には立てない。下半身が完全に動かない。
「お、おい!俺になにした!」
『なにもしてない、その状態でここに来たの。貴方は』
!?
「さ、さっき死んだって言ったな。死因は?」
『交通事故。後ろから大型のトラックに轢かれて全身強打意識不明、その後病院に運ばれるが死亡。』
淡々と読み上げる神とやら
『因みにその時、腰椎損傷したから貴方は立てない』
なるほど……
それで俺はこれからどうなるんだろうか。
『そこで、あなたに選択させてあげる。
ここで、意識があるまま永遠に過ごすか…』
怖っ!最悪の選択を迫られてるなぁ。他の選択肢は?
『もう一つは、異世界に転生すること』
「転生します」
即答していた。やっべ、どうしよう。人の痛みが分かる国とか、愚か者は死んでもいい国とか。
前者よりはいい気がしてしまった。
『あっそう。
じゃ、行ってらっしゃーい!』
軽い。軽すぎる……!
意識を失った。
『あ、そこそこ生き易くしとくから~。』