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鋼鉄の騎士  作者: 海星
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古代龍

一が魔王討伐の旅に出た。由美も一緒だ。悠希はついて行っても何もできないので、ゴーレムを三体二人に託した。

「コイツらをただのゴーレムだと思うなよ。何とコイツらは『スーパーゴーレム』だ。とにかく凄いんだ。後で返してくれよ、何て言ったって『スーパーゴーレム』なんだからな!」悠希は一に一生懸命説明した。

「何かお前バカっぽいぞ?どうしたんだ?らしくないぞ?」一は笑いながら言った。

「うるせー!お前らは無事にゴーレムを僕に返せば良いんだ!」悠希はそっぽを向きながら言った。

「やっぱただのゴーレムなんじゃねーか!はいはい無事に帰ってきますよ。男のツンデレは可愛くないどころか気持ち悪いぞ?」一は笑いながら言った。

「うるせー!僕は男のロマンの開発に忙しいんだ。もう行くからな!」心なしか顔を少し赤くした悠希は吐き捨てるように言った。

「男のロマン?巨大ロボの開発にはとりあえず成功したんじゃなかったっけ?」由美は首をかしげた。

「男のロマンが巨大ロボだけだと思うなよ?帰ってきたら見せてやるよ。だから無事に帰ってこいよ、待ってるからな」悠希は真剣な顔で告げた。

「だから『男のツンデレは気持ち悪い』って言ってるだろ?」一は笑いながら言った。

「うるせー!さっさと行っちまえ!」悠希は真っ赤になりながら怒鳴った。


一と由美は今まで訓練はしていたが、実戦は初めてなのだ。

悠希が心配していたのは「二人が実戦経験がない事」「二人への協力メンバーがいない事」「二人が正直すぎる事、狡猾さを経験していない事」だった。

全てはこれから経験すれば良い事で、パーティーメンバー探しはこれからだと悠希は思っていた。

ただ「問題が解決する前が一番危ないな」と思っていたのだ。

そしてその予想は最悪の形で的中する。

実戦経験を積むためにモンスター討伐をしていた二人は城から西に行った岩山に登る。

そこには古代龍が眠りについているはずだった。

古代龍は賢く人語を理解し皇国の守り神として敬われているので、「決して攻撃してはならない」と旅に出る前、言われていた。

眠っているはずの古代龍が目を覚ましていたのを見た二人は古代龍に騒いだ詫びをし、すぐに出て行くと告げた。

古代龍は神でも何でもない。機嫌が悪い時人里で暴れ、それを人々は天災として扱ってきた。人を見下し増長した古代龍は、去ろうとして背を向けた二人に寝起きの機嫌の悪さをぶつけ炎を吐いた。

二人を守るように命令されているゴーレム達は盾となり炎を受け止め二体はそこで溶けてなくなった。

一体は炎を避けきれず深刻なダメージを負った二人を抱え、悠希の元へ逃げ帰ってきたのだ。

悠希は二人を城へ送り届け、医師と神官による懸命の治療が行われた。一命をとりとめ、安心している周囲の人々と寝ている二人を置いて悠希は城を後にした。

ファンシュリンプに乗り込み開発したばかりの新兵器を持って西の岩山へ向かう。

怒りでどうにかなってしまいそうだった。岩山へ上った悠希は古代龍と対峙した。

「まさかこのトカゲが古代龍なのか?冗談だろ?」悠希は古代龍を挑発した。

確かに巨大ロボと比べると古代龍は半分くらいしかない。

「負けると思ったから後ろを向いた相手を攻撃したんだよな?トカゲさんは攻撃受けたらマズいから、姑息にも後ろから攻撃したんだよな?」悠希は更に挑発した。

古代龍は「攻撃してみろ。受け止めてみせる」というようにいななき、正面に立ちふさがった。

バズーカ砲のような新兵器を古代龍に向けて引き金を引くと光がバズーカ砲の先からあふれ出した。

光が収まるとそこには首から上が吹き飛んだ古代龍が佇んでいた。


古代龍の死骸から「古代龍があの巨体と小さな羽で何で飛べるのか」という解析が行われ、その結果巨大ロボのホバリング技術が開発される。

また古代龍のうろこから、軽くて丈夫な合金鉄が開発される。


「・・・で結局、男のロマンって何だったんだよ?」一は見舞いに来た悠希に聞いた。

「スーパーゴーレムを返してくれなかったヤツには・・・まぁ、今回は二人とも無事だったし、特別に教えてやるか。『極太レーザー』だよ」悠希は答えた。

「え?それだけ?あれだけもったいぶってたのに?」一はずっこけた。

「お前、レーザー飛ばす事の難しさをバカにしてるだろ!?電力とか磁力に引き寄せられちゃうから真っ直ぐ飛ばないんだぞ?どんな物だって静電気って電気を帯びてるから、レーザーってだいたい地面に引き寄せられちゃうんだぞ?」悠希は「心外な事を言うな」という態度を取った。

「どうやって欠点を克服したんだよ?」一は聞いた。

「魔力が電力に変換される理屈はわかるな?風魔法は風力発電、火魔法は火力発電、土魔法は地熱発電・・・本来魔力を電力に変換してロボットや兵器の動力にするんだけど、マジックレーザーが真っすぐ飛んでるのを見て、敢えて変換せずに魔力をそのまま飛ばせばレーザー真っすぐ飛ぶんじゃね?と。」悠希はドヤ顔で言った。

「それをデカいレーザー銃で確かめたら極太レーザーが出た、と」一はあきれながら言った。

「要は結果オーライの思いつきじゃねーか!」



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