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鋼鉄の騎士  作者: 海星
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進学

私立堀掛高等学校にはいろんなクラスがあるよ。

普通科…どこにでもある普通のクラス。普通すぎてイヤになっちゃうね!

商業科…簿記や会計を中心に学ぶクラス。女の子が多いのが特徴。入りたいの?女の子が多いから?このスケベ!

工業科…自動車クラスとコンピュータークラスに分かれる。男だらけだね。たまーに女の子が入ると、そんなに可愛くない女の子でも凄いモテモテになるよ!

農業科…林業や漁業も含んでるんだからそろそろ名前を変えた方が良さそうだよね!

特別進学科…高校の名前を良い意味で有名にするためのエリートクラス。授業料はなんとタダ!

芸能科…他の学校なら出席日数が足りなくて留年しちゃうような売れっ子芸能人でも芸能科の特別カリキュラムなら卒業できるよ、やったね!

スポーツ科…オリンピックを目指す人のクラス。スポーツだけじゃなくて普通の授業もやるよ!朝の一時間だけね!

そして私立堀掛高等学校だけにある「救世科」

このクラスでは異世界から呼び出しを受けるだろう救世主を通わせるためのクラスなんだ!

半年間異世界から呼び出しを受けて高校の授業を受けないと普通だったら留年だけど、救世科だったら帰ってきた後にレポート提出と特別補講を受ければ普通に卒業できるよ!やったね!救世科に通う権利があるかは占いババの占いで決まるよ、なんと占いの的中率100%!すごいね!


「で、何で僕がこの異様にテンションが高い堀掛高校のパンフレットを読まなくちゃいけないんですか?」

中学の進路指導室で、進路担当の教師と担任の教師と僕が向かい合って座っている。

進路担当の教師が夕日を背に口を開いた。

「進路一筋15年、私も生徒の進路選びのために就職を希望する生徒のために進学させようとする親御さんを説得した事もある。その進路がその子のためになっていて、その子の希望ならば周りの全てが敵になっても進路を押し通した事もある。だけどな、将来の夢に『巨大ロボを作りたい』なんて書く生徒を工業科に入れて『はい、おしまい』ってほど責任感がない教師ではないぞ!」多分この進路担当の教師は良い先生なんだろうな。でも多くの生徒が進路指導中に「この先生暑苦しすぎ」って思ったはずだ。

「まあまあそう熱くならずに…。お前を指名で推薦入学が来てるぞ?お前成績も良くないし運動神経も良くないし…。お前入学できるような一芸って何かあるのか?」担任が僕に聞いている。

「時代が僕に追いついたんじゃないですかね?僕の巨大ロボの知識が認められたって事だと思いますけど。」僕はさも「僕が選ばれた事は必然」という態度をした。

進路指導の先生はため息をつきながら心配そうにアドバイスをした。

「お前は救世科からの推薦なんだ。占いババがお前の異世界召喚を予言したらしくてな。悪くない話だから進めたいんだが…。だがお前に一体何が出来るんだ?救世科に入るのは大体武術の達人か専門知識を持った天才かなんだが…。身の丈に合っていない推薦は入ってから苦しい思いをするぞ?それで高校をやめた生徒も少なくないんだからな?」

「元々の第一志望は堀掛高校の工業科なんだから、ダメなら転科すれば良いんじゃないでしょうか?入学試験を受けなくていいだけ、リスクは少ないと思いますがね。」担任が進路担当の教師と話をしている。


こうして僕、「戸田悠希」は堀掛高校救世科に入学する事になった。


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