登場人物紹介/舞台設定紹介
【舞台設定紹介】
進行する地球温暖化により、気温と海水面の上昇に歯止めがきかぬまま迎えた21世紀中盤。臨海部の都市は水没して遺棄され、人類の居住可能地域は減少していた。こうして水利の良い土地をめぐる国同士の争いが激化し、ついには戦争が起こった。
全世界を巻き込んだこの大戦において、無線化された遠隔操作兵器に手を焼いた戦争当事国が開発したのが、電波妨害粒子(Radiowave Obstructive Particle)であった。その頭文字から「ロップ」と呼ばれるこの粒子は大気中に大量散布されて、全世界で無線通信を寸断した。
無線兵器がロップにより無効化されたことを受け、あらたに人工知能による自律攻撃兵器(Autonomous War Machine)が開発される。その頭文字から「アウム」と呼ばれるこの兵器は、戦争当事国が継戦能力を失った後も活動を続けて、世界各地を荒らしまわった。
このアウムに対抗するために作られた戦闘機が、可変翼式滑空航空機—通称「タコ」である。タコの翼をたくみに操るパイロットは「操翼士」と呼ばれ、人々をアウムから救う英雄として尊敬を集めていた。
ロップによる通信途絶で孤立した大地に、アウムの無差別攻撃にさらされ続ける……この物語は、そんな過酷な環境で生きる人々の愛と友情を描く、感動の群像活劇である。
【おもな登場人物紹介】
◎オリオ・ミズハラ
「空の悪鬼」「陰鬱なる黒騎士」など、様々な異名を持つ伝説の操翼士
◎リツカ・ヤマウチ
空に強い憧れを抱き、操翼士になりたいと願うヤマウチ家の令嬢
◎カズマ・ヤマウチ
国内有数の大地主・ヤマウチ家の当主、リツカの父でオリオの雇い主
◎ソーマ・ヤマウチ
カズマの長男で、心優しき次期ヤマウチ家当主
◎ケニチ・サトー
どんな危機にあっても陽気で明るいヤマウチ家の護衛隊長
◎シオン
ケニチの部下で、無口だが腕のいい女狙撃手
◎ゴー・スズキ
自分の利欲に正直な、犯罪組織のボス
◎ゼロ・ラグナ
陰謀をめぐらせる謎の男
◎クリストファー・コー
「不屈の紅虎」の異名を持つ世界最高の操翼士
◎レイチェル・ブルーム
「猛毒の青薔薇」の異名を持つ凄腕の女操翼士
◎アムリーシュ・カーン
「灰色の魔術師」の異名を持つ、現役最高齢の伝説的操翼士
◎ユイ・オーノ
かつて「藤色の幻夢」と呼ばれた元操翼士。現操翼士協会会長。