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燃えた夏  作者: Karyu
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第五十九話 ダイテツからのメッセージ


 翌日の九月十七日の朝、スペースでは綾夏以外の三人は昨日そのまま倒れたままの姿勢で朝を迎えていた。一方の綾夏はぐっすりと寝息を立てながら眠っていた。時刻は八時半。よほどCNCが過激すぎたのかその三人は微動だにもしなかった。そんな時、


「こちら東京MBS本部ダイテツ、シルキ応答せよ、シルキ応答せよ」


 スペースの通信用メインモニターに電源が入り、反射的に流騎と静香は跳ね起きた。そして刈谷もそれに続いてのそのそと起きはじめたが綾夏だけは熟睡してた。そんな綾夏を見た三人は多分綾夏が一番CNCにまいったものだと思い込んでいたのでそっとしておいた。


「はい、こちらシルキ。ダイテツ司令官どうぞ」


「おお、シルキか。すまないが他の三人には席を外してもらってもよいか?」


「あ、はい、わかりました。少々お待ちください」


「うむ」


 流騎は通信モニターから後ろの刈谷と静香に向き直り、


「悪いけど、こういうこった。綾夏も連れて行ってくれるか?」


「はい、わかりました。それでどこにいっておけばよろしいですか?」


「うーん、そうだな……。今日は新技をつくりだしたいから静香は刈谷と綾夏をつれてあのシェルターまで行ってウォーミングアップしていてくれないか? 俺も後でいく」


「はい、わかりました。それでは、刈谷さん、行きますか」


「ああ。木宮さん、起きな、もう行くぞ」


「うぅぅん……もうちょっと……」


 綾夏は駄々をこねて起きようとはしなかった。


「仕方がありませんね……。このまま連れて行きましょう。刈谷さん、担いでください」


「えっ!? お、俺がか?」


「ええ、他に誰がいるんです? 早くして下さい」


「あ、ああ、わかった……。許せ、木宮さん!」


 刈谷は毛布に包まっている綾夏をそのまま肩越しに担いでスペースから出て行き、その後に静香が続いた。静香の手には綾夏用の衣服がおさまっていた。


「どうぞ、ダイテツ」


「ああ、今後の計画についてだ。お前達四人には我々が政権を握る直前に攻撃して欲しい。その時が唯一のチャンスだ」


「本当に成功するのか?」


「ああ、そこでお前達には特攻隊第六班に就いてもらう。特攻隊は東京都、国会議事堂を落とす班として作戦に入ってもらう。ややこしいが我々MBSとシコン達リベリオンを二つ合わせてルネサンスと呼ぶことにした。そのルネサンスの作戦ではお前達第六班とハヤブサ率いる第五版、それにシコンの第七班が国会を攻める。第一と第二班は総理大臣官邸を攻める。第三と第四班は裁判所を攻め落とす。作戦終了後シコン、ビワ、クキョウの三人は国会に集うことになっている。その時がチャンスだ。国会の中は修羅場となることが予測される。そのとき我々本部司令官はハヤブサ以外本部で待機し外部からのあるいは内部からの奇襲に備える」


「ああ、わかった」


「それとお前の第六班には我々、といっても真・MBSの一般隊員が十人下に就く。どの隊員も事情はわかっている」


「それじゃ十月の三日までに東京のそっちの本部に行けばいいんだな?」


「いや、詳細をまた詳しく話さなければならんのでな、十月一日の昼までには東京の羽田空港まで来てくれ。そこでルネサンスの一般隊員が出迎える。MBS用のスーツを着ているためすぐわかる。お前達はスーツを持ってきてくれ、なのでこちらに来るときは私服でだ。

この合併はきっと一時的な停戦でしかない。そしてお前達が我々の真・MBSの作戦に失敗した場合でも戦闘が予想される。なので、お前達の任務は重大だ。お前達が現リベリオンリーダーの三人を倒し、私は内部から各本部にそこの司令官を束縛しろとの命令が渡されているのでな」


「しかしそんなに複雑な事情があるのならそんな単純な奇襲で成功するのか?向こうも想定してでのことじゃないのか?」


「ああ、だからこそシンプルに行く。と、カゲフミからの提案だ」


「カゲフミのおっさんはまだくたばっちゃいないのか……。思ってた以上にタフだな」


「ああ、だが拷問でも監獄でもないので彼はいたって元気だぞ」


「そうか、それじゃその日まで」


「ああ、健闘を祈る」


 ダイテツとの通信が切れた後、流騎はソファに座りなおした。


『ダイテツのおっさんのあの言い草……やっぱり何かある……。でもなんで現総司令官のハヤブサがルネサンスの特攻隊の班のひとつを任されているんだ? それに何故最終的に国会に集うんだ? しかもリベリオンリーダーとハヤブサが一緒に? そしてMBS司令官達がそれぞれの本部に残る理由……。


 もしかしたら俺達は作戦終了時に排除されるようになっているのか? いや、しかし、でも……。いや、考えるのはよしておこう。どの道罠だとしてもそれはそれで切り抜けるしかないしな。まったくとんだ貧乏くじを引かされたもんだ』


 流騎は便所に一度行き、髪型と服装を正してスペースから出た。学校は今日も休み……。訓練するにはうってつけの日であった。


 流騎は待ち合わせのシェルターのところまで行く間に色々と物思いに耽っていた。



ダイテツも段々と活躍の場を広げ―――られるのか?

そこが問題で私もいまだに考え中です。ダイテツファンの方っていらっしゃるのかな?なんて思ってみたり……^^いたら嬉しいですけど

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