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燃えた夏  作者: Karyu
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第五十七話 リベリオン、そして……

 

 そして場所は移り、広島リベリオン本部のある比婆山を越えた奥地……。


「シコンさま〜、いいの〜こんなところでいこっちゃってて?」


「ん?ああ、いいんだよ。どうせあと一ヶ月ぐらいは暇だからな」


「でもゴウキくん死んじゃったよ〜?」


「ああ。しってる。あいつもいい駒だったんだけどな……、惜しいことをしたかな」


「何をいまさら〜、あんなこと言って追放させたくせに」


「ふ……そうだったな。まあいいさ、ゴウキより強いやつはまだたくさんいるしな」


 シコンはソファに座り込みながら腕を組み、足を組んで紅茶を優雅に飲んでいた。その横では流騎と同い年ぐらいの少女が足をばたばたさせながらシコンの向かい側に座っていた。


「それでさ、シコン様。わたしはどうすればいいの〜?」


「ああ、そうだな。お前には今までどおり情報収集を頼む」


「えー。つまんない、つまんない、つまんな〜い……」


「まあ、そういうな。褒美といっちゃ何だがこれをやる」


 シコンは懐から女物のブレスレットを取り出しその少女に手渡した。


「わあ、これくれるの〜?」


「ああ、やる。それにそれは通信機付きだ」


「へぇ、結構凝ってるんだ〜」


「それで?何か新しい情報はないのか?」


「ああ、うん。えっとね、なんか綾夏たちがなんかまたこそこそ例の場所でやってるよ」


「そうか、多分最後の追い込みだろうな」


「私は何もしなくていいの〜?」


「お前は充分強いじゃないか。気にすることはないだろ。何せここじゃ俺の次に強いんだからな」


「えへへ、それほどでも〜」


「ああ、多分クキョウよりも強いだろうな」


「ええ〜、でもクキョウくん私の苦手なタイプだし、無理だよ〜」


「そうか、確かあいつは地を使うんだったな。お前は確か雷だったよな」


「そうそう、ゴウキくんと一緒の雷〜」


「同じ雷でもチルドレンが違えばここまで違いが出るもんなんだな」


「なに、シコン様。おやじくさーい、もっとしっかりしてよ〜」


「無理言うなよ、俺だってもう二十二だぜ。お前からみりゃ相当のおっさんだろうけどな」


「あ、そうそう。昔から聞きたかったんだけどクキョウくんの生い立ちってどんなのなの?」


「なんだ、お前そんなの興味あるのか?」


「だって、私の好みじゃなくても顔はそれなりにいけてるから。それにほら、暇だし」


「ああ、そうだな。俺がクキョウとであったのは大阪だった。まあ俺はそこの高校にいってたんだけどな。その頃はまだMBSやリベリオンなんてもんはまったく知らなかった。そこで俺に弟子入りしてきたのがクキョウだった。


 きっかけはよくわからんが、どうやら俺が能力を使うところをみたらしい。そして自分もつかえることを知っていて俺に近づいたんだろうな。そのときクキョウは俺の後輩だった。といっても小中高一貫だったけどな。俺はその時高三、クキョウは小三だった。そして偶然にもその高校の理事長ってのがあのビワの爺さんだった。


 それで偶然にもビワの爺さんにも見られてリベリオンの存在について知った。そしてMBSについてもだ。それで俺とクキョウはビワの爺さんに勧誘されて、カゲフミさんに紹介された。そのとき俺はカゲフミさんに惚れた。一生この人についていこうと決意したんだ。そして成り行きでクキョウもリベリオンに入ることになった。あいつはまあカゲフミさんより俺についてきたようなもんだけどな」


「へぇ〜、そんなつながりがあったんだ〜。それで、それで?」


「ああ。それでカゲフミさんがMBSの総司令に就いていてこの国を変える計画のことも聞かされた。俺は感動した、柄じゃなかったけどな。それが四年前に起きたMBS本部での襲撃騒動だ。あれもカゲフミさんが影で糸引いて起こしたんだけどな。そこで俺は鳥取MBS本部を攻めた。いとも簡単に乗っ取れそうになったがそのときまだ小僧だったシルキに会った」


「おお、流騎くん、そんな昔から活躍してたんだ〜」


「ああ。あの時のあいつはまだまだ弱かったからな。俺が一撃食らわしただけで吹っ飛んだ。だけどな、あいつは執念で俺の右肩に一発食らわせた。その時の傷がこれだ」


 シコンは自分の着ていたジャージを崩し、なこのシャツをめくって右肩に痛々しく残った銃弾の後が見えた。


「うわ〜、いたそ〜」


「ああ、でもこいつは俺の一応のけじめだからな。四年前にシルキからこの傷を貰った後俺は仲間たちに連れられてこの本部に戻った。まだそのとき俺はリーダーじゃなかったけどな。だがカゲフミさんから指示を受けてリーダーに任命された。それで俺はそのまま広島のリベリオンリーダー、クキョウは山形で活躍して北海道に、ビワの爺さんは愛知に痛手を負わせて京都、つまり関西地方を牛耳ってる。まあそんな感じだな」


「え〜、でもまだクキョウくんのその後はまだ聞いてな〜い」


「お、悪かったな。クキョウは結構嫌がってたな北海道に行くのは。まあ俺と離れるのが嫌だったんだろう。でもまあ、あいつは気性荒いし言葉もあんなんだが結構仲間思いのいいやつだからな北海道の方では結構人気があるぞ。それにあいつには大阪の頃からのダチがいてそいつも北海道に移ったって話だ。


 それとあいつは大の漫画好きだ。あいつの部屋はすげぇぞ、漫画図書って言ってもいいぐらいだな。あいつのすごいところは一度読んだ漫画の内容、登場人物、年号、その他すべてを忘れないんだ。オタク並みの情報量だなっていったこともあるけどあいつ曰くスペシャリストとかなんとか言ってたが漫画読むもんにスペシャリストも何もないだろ」


「あはは〜、そうだね〜。でも小三の時にシコン様に付いてたクキョウくんもすごいなー」


「そうだな……。話を本題に戻すがもうすぐって言っても後二十何日だ?」


「二十四日」


「そうか、それに備えて俺も同士をもっと集めないといけないしな……」


「がんばってね、シコン様。それじゃ、そろそろ私も家帰ろっかな〜」


「ああ、帰れ帰れ、あんま親御さんに心配かけるもんじゃないぞ」


「は〜い。あ、そうだ、いい忘れてたけど最近ビワさんがちょくちょく大阪と京都行ったり来たりしてるらしいよ〜。ま、あんま関係ないか。じゃあね〜」


「ああ。またなミキ……」



なんと、ミキがっ!?え、でもミキって誰でしょう?さあ誰でしょうか??

まあ、もうおわかりでしょうけどね。

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