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燃えた夏  作者: Karyu
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第四十九話 射撃訓練


「えー、射撃って私一回もやったためしないよ……」


 綾夏は真っ先に不平をこぼした。


「だから今から特訓するんだよ」


「なあ萱場、ほんとに一週間後には俺たちはその革命を起こそうとしている連中に勝てるのか?」


「ああ、どうにかなるだろう。それに立ち向かう連中は俺たちだけじゃないからな」


「そうですね、それに早く訓練を続けないと間に合いません。少なくとも私たちには時間がありません」


「ああ、その通りだ。ほら、いくぞ」


 萱場は食べ終わったおにぎりのラップをくずかごに入れ、シューティングルームとかかれた射撃訓練室の中に入っていった。刈谷と静香も後に続き、残った綾夏は自分が食べ終わってできた大量のごみをいそいそと処分してから三人の後に続いた。


 綾夏が部屋に入ると、


「うわー、すっごーい。真っ白」


 シューティングルームは幅が狭く奥行きが長い。そして中からはわからないぐらいの分厚い防音壁になっており壁の所々に穴が開いていた。そして部屋全体は白く、部屋に入って動き回れるのは奥行き二メートルまでであった。その二メートル地点には腰ぐらいまで高い仕切りがありその向こう側には十二、三メートルほどまで壁以外の何もない。部屋の脇のほうにはモデルガンらしきものが五つあり、実に質素な形で色は黒い。


「ここは本部にもある同一の施設だけど小型版だ。この部屋はこのモデルガンで次々とバーチャル形式で出てくる的に当てる。的はすべて人型だ。的の頭部ど真ん中に当てると撃ったところは赤く光る。それ以外は緑だ。まあ、やったほうが早いな。それとこのモデルガンは十種類の違った銃になることが出来る。この部屋限りだけどな。それはモデルガンに書いてある数字をダイヤルで回せばこの部屋自体に脳を刺激する電波を発信しているから銃が重くなったり反動が強くなったりその反対も感じるようになる。今ちょうど昼が終わった頃だから夕方までここでこの練習をする。綾夏は静香と刈谷は俺と一緒にやる」


「へぇ、でもすごいね。こんなことも出来るんだ。それで静香ちゃん、お手本みせてもらっていい?」


「ええ」


 静香はモデルガンのひとつを手に取りダイヤルを0から1に変えた。


「このモデルガンは0から9まで数字がありますが0から順に9になるにつれ銃の威力、重量、反動が増します。私は大概はレンジ1から3までを使います。もちろんこれは実戦に備えるためですけどね。綾夏さんは0から練習してください」


「うん、わかった」


「それではいきます。スタート」


 静香がスタートといったと同時に部屋の仕切りの向こう側で様々な人型の的が縦横無尽に現れた。的はその部屋にいる人間全員の脳を刺激し脳に直接電波で視聴機能を一種の洗脳を用いて見えるようになり、銃を撃ったときの銃声も聞こえるようになっている。その為部屋の中は少々騒がしくなる。的は大中小で現れ近かったり遠かったりしながら現れていく。


 静香は現れてわずかコンマ五秒で消えていくそれらの的を百発百中の腕で射抜いていた。そして開始から一分後的が現れなくなった。すると的が現れていた場所に赤い文字で点数が現れ百二十的中百二十発命中と出た。


「すっごーい、静香ちゃん。百パーセントだって!」


「いえ、たいしたことありません。萱場君に比べたら足元にも及びませんから」


「萱場。お前これよりもすごいのか?」


「まあ、訓練すればな。それに今日お前たちに成し遂げてもらうのは静香が今さっきやった百パーとるまで今日は終わらないからな」


「おいっ、ちょっと待てよ。まだ銃なんて触ったことない俺たちにここまでやれっていうのかよ?」


「ああ」


「でも、それはちょっと無理だよ。流騎くん……」


「皆最初はそういうんだよ。やれば慣れる。それだけさ」


 流騎は刈谷と綾夏にモデルガンを手渡し、


「刈谷はレンジ6からだ」


「ああ、わかった。っと、うおっ……なんだこれ?めちゃくちゃ重いじゃねぇか」


「お前だったらこれぐらい扱えるだろ」


「くそ、銃身がぶれる……」


「それじゃ、はじめ」


 そして流騎はプログラムを起動させ静香の時より少し緩めのスピードに調整した。それでも次々と現れる的に刈谷はかろうじて当てるのが精一杯で結局その一分間もの間一度も的の頭部は赤く光らなかった。


「く、くそ……。あたらねぇ」


「まあ初めてにしてはよく当てれたな。この調子なら今日中にはなんとかなりそうだな」


「はぁはぁ。一分しか撃ってねぇのに何でこんなに汗が……」


「それはお前が銃を使ったからだよ。いや、そういう風に感じる疑似体験をしたしこの部屋がお前の脳をなるべく現実に近づけたから一種の恐怖心を感じるようになったんだよ。的にいくら当てても実際のときに撃てなかったら意味がないからな」


「おい萱場。なんか今日のお前結構こえーこというな」


「ああ、時間がないからな。よしそれじゃ次は綾夏だな」


「うん、わかった」


「よし。それじゃ、はじめ」


 そして一分後結果は刈谷の時よりもひどかった。約八割がたが的の胴体部分に当たるばかりであったが五つほど頭部を捉え的が赤く光った。


「まあまあだな。それじゃ俺と静香がコーチするからどんどん銃のレンジを上げていくぞ」


 そしてそれから三時間もの密室での訓練で綾夏と刈谷の腕は合格ラインをなんとか突破し刈谷はレンジ8まで、綾夏はレンジ3までの銃を扱えるようになった。そしてその後四人は部屋から出てそのままぐったりソファの上で寝入ってしまった……。



はい、というわけで訓練バージョンに戻ってまいりました。

苦労したのは銃の扱い方ですね……あまり詳しくないので(詳しかったらちょっと危険ですね……)こういう感じです。でもシューティングゲームは大好きです^^

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