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燃えた夏  作者: Karyu
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第四十七話 陰での陰謀

 

 場所は移り、鳥取MBS本部の司令室の隠し部屋にて八人の影が重々しくもどこか嘲笑うように席に座り込んでいる。


「ハヤブサ、首尾はどうなっている?」


「ああ、来月中には準備が整う。要はあの例の支部にいるシルキ率いる隊だな」


「本当にあいつらを信用できるのか?」


「ああ。だがシルキはカゲフミの息がかかっているからな。今保険を掛ける手はずが整っている。そいつをスパイとして送り込む手はずだ」


「そうか、それなら安心だ。それで誰を送り込むのだ?」


 ハヤブサが答えるたびに他の七人が交互に話しかける。


「それはシコンから提供してもらう。そうだろ?」


 ハヤブサがシコンという影に語りかけた。すると、今まで寝ていたのだろう、シコンという影が頭を重々しく上げ答えた、


「ああ、だがもう潜入してる。だが、シルキの隊に頼らずとも俺たちだけでこの国のっとって見せるさ。それに、俺の送り込んだスパイは捨て駒だ。期待しないほうがいい」


「それでは、あの隊は殺すことにしていつ襲撃を掛けるのだ?」


「来月のここの首相が中国から帰ってきた時だ。それと同時に国会を乗っ取る。そして、それぞれの省庁をも攻める」


「しかし、シコン。ここからだとかなりの距離があるぞ。それに、今の政府は守りが堅い」


「その為に合併したんだろ。なーに、俺一人でも充分さ」


「そうであったな。それでは期日を決めなければならないな。それで首相が中国に行って帰るのはいつだ?」


「それは再来週の九月二十五日から中国で十月の三日に帰ってくる。そこが勝負だ」


「そうか、今は九月の五日だな。それでシコン、ビワ、クキョウ、私たちの奇襲隊の手配と配備はもう大体決まってはいるがそちらは東京からかなり距離がある大丈夫なのか?」


「私たちを甘く見てもらっては困るな。私たちの奇襲部隊はもうすでに東京に潜伏済みだ。それに私たちの県庁を襲う部隊もそろってはいる。心配なのはそちらMBSのほうだ」


「む……。そうか、それは失礼なことを言った。私たちも本部のある県庁の熊本、愛知、鳥取、滋賀と山形の奇襲部隊はそろった。やく一般隊員二十人とチルドレン隊員三名が着く手はずになっている。東京はその二倍の配置となる」


「そうか、その配備でまず問題はないだろう。我々リベリオンのほうもそのぐらいだがこっちはあいにくチルドレンしかいないからな、こちらはチルドレン五人ずつ提供しよう。ここ広島、京都、北海道は我々ビワ、クキョウ、シコンがそれぞれ攻める」


「そうか。それならまず問題はないだろう」


「しかし、本当にこれでうまくいくのか?」


 今まで寡黙であったダイテツが語りだした。


「どういうことだ、ダイテツ?お前は我々を信用せんのか?」


「いや、そういうわけではない。配備人数だ。いくらチルドレンが人間を凌ぐ能力を持っていても銃に撃たれたら死んでしまうところは変わらない。増してやテロなどが続くこの世界で我々の奇襲はうまく行くのか?」


「おお、まだお前には話してはいなかったなダイテツ。実はお前の東京は一番の激戦区となるからなそのことに頭がいっぱいでこのことを話すのを忘れていた。実は私の滋賀本部の雷を扱うチルドレンが政府、この国のメインコンピューターへのハッキングに成功した。それにより、政府のセキュリティはその日シャットダウンするようになっている」


「なるほど。そういうことか……」


「この作戦が成功することを願おう。我々の協力者もそう願っていることであろう」


「その協力者の検討はついたのか?」


「いや、まだ検討中だ。なにしろあれほどの巨額の金額をそろえた人物だ。己と的は絞れるが射抜くことは難しい」


「そうか。ならそちらの方も早いうちに見極めなければなるまい」


「しかし、なにもかも順調で恐いぐらいだわい」


「何を今さらおっしゃいます。我々の計画はいつでも絶好調ですぞ」


 会議室では様々な声が上がっていた。


「ああ、それでは今回の会議はこれで終了とする。後日の連絡事項はスクリーン回線によって伝えることとする。依存はないな」


「「なし」」


 と残りの七人の声が重なった。そして鳥取本部司令ハヤブサは一人会議室に残りぶつぶつと呟いていた、


「せっかくこの地位にたどり着いたというのに私の出す案はすべてがすべてあのダイテツや佐賀のカササギに無にされてしまう。くそ、これでは単なる言いなりに過ぎないではないか!」


 ハヤブサはガン! と会議の机をたたき顔に憤怒の表情を浮かべ幾分か長考した後、俄かに影の深い笑みを浮かべた……。





 そして時は九月八日、流騎たちの合宿が始まり三日がたった。依然刈谷と流騎のタッグマッチは続き、刈谷は連敗を繰り返していた。そして綾夏と静香とも組んで試合をしてもやはり刈谷は判断を誤り最後の最後で負けてしまっていた。刈谷の体力、精神力は目を見張るほど上がるのだが、依然として冷静な判断力は著しく向上するも作戦を立てるタイプではなく臨機応変方でもないため連敗は続いていた。その名の通り一球勝負方のためかなりの一発勝負系である。決して悪くはないのだが、まあ打たれ強い分だけまだましであった。本人はまだ気付いてはいないようではある。


「くそっ!何で俺ばっかり負けなきゃいけねぇんだ!くそ、くそ、くそ!」


 刈谷はシェルターの内部の壁を静香に負けた後殴りながら怒鳴っていた。


「刈谷、また負けたのか……」


「黙れっ!」


「もう今日でここでの実戦訓練終わりだ。今度からは銃の訓練に入る。良かったな刈谷、もう負けることはないぞ」


「くそっ!」


 刈谷はまたもや拳を振りかぶり壁を殴った。すると壁の一部に亀裂が走った。


「「!?」」


 刈谷の周りにいた流騎、綾夏、静香の三人が目を見張った。人間では決して壊すことの出来ない核をも防ぐシェルターの壁に亀裂が生じたのだ。しかも素手で。



どんどんストーリーらしくなってきたなーなんて感じてるうちはまだまだってことでしょうかね?

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