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燃えた夏  作者: Karyu
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第四十三話 刈谷秀明(2)


 一段落して綾夏が、


「ど、どういうこと、流騎くん?リベリオンと共同戦線って、それにカゲフミさんはどうなったの?」


「ああ、それにどういうことだ?俺はまだ詳しくはしらねぇがただ事じゃなさそうだな」


「ああ、そのことについて今から話す。静香悪いけどコーヒーの準備をしといてくれないか、それと刈谷と綾夏は静香と一緒に談話室に行っててくれ、俺も後から行く」


 俺は送られてきた書類を整理して談話室に入った。先に行った三人は早くもコーヒーを啜っていた。


「おい、萱場とっとと始めてくれ。俺はこういう感覚が嫌いなんだよ。自分だけわかってないっていう環境がな」


「ああ、わかった。それじゃとりあえずMBSについて話そう。鳥取MBS本部総司令のカゲフミは捕まって幽閉されている」


「ええっ!?」


 綾夏はびっくりして口がパクパクしていた。俺はすかさず続きを話した。


「その原因は他の県本部の総司令部たちがリベリオンリーダー達と一緒に手を結んだ。原因は金だろうな。お偉い連中たちのすることだ。そしてそれに反対したカゲフミや他の連中たちは幽閉され他の隊員たちは排除されてきている」


「な、なんだそりゃ!?そんなことが許されるのか?」


 刈谷が少し怒鳴りながら言った。


「許されるわけないだろ。そこで俺は昨日カゲフミにあってきた。カゲフミは俺たちにここの支部を拠点にカゲフミたち真・MBSの原動力となって他の隊員たちを助け出す。それと、リベリオンとMBSが一緒になった組織は近いうちにこの国を乗っ取る気でいるらしい」


「!!」


 さすがに静香や他の二人も驚いていた。もはや言葉が出ないようである。まあ俺もそうだったから仕方がないけどな……。


「そこでだ、カゲフミが俺たちに残してくれた唯一の切り札がここだ。俺たちはここを守って、強くしていかなきゃならない。忙しくなるし、孤立無援状態だ。だけど俺たちがやらなきゃならない、付いてきてくれるよな?」


「うん、もちろん」


「それがリーダーの決断であるのでしたら、従うまでです」


「ああ、地獄の果てまで付いてってやるぜ」


「ありがとな。それじゃ、今日から強制合宿だ。刈谷の合宿も含めて皆今日から合宿だ。今から各自家に帰って事情を説明、刈谷は親から了承を取ってきてくれ。まあ多分ここにいる親の全員はMBSの存在を知っているはずだから手こずらないはずだ。集合は今から二時間後の六時にここに集合だ。それと合宿期間は一週間、すべてここで生活する。なんせここには何でもあるからな。それじゃ解散」


 俺は談話室に声を張った。






 ちっ……まったく人使いの荒いリーダーというかあいつをリーダーと認めるのも腹が立つが仕方がないな。しかし俺の親が許すか?


 まあ、今まで散々迷惑掛けっぱなしだったからな。だがこの紙にサインをしてくれるまで俺は引き下がらないぜ。なんせ俺の人生の中で一番面白そうなことが出来るんだからな。


 俺は軽く他の三人に挨拶をし校門を出て家まで帰る。俺の家は刈谷コーポレーションでここ広島から発展して知らない者がいないほどでかい会社だ。俺の親は日本で最初に世界一軽いプラスチックを発明してから世界からも注目されてる。


 ま、俺は継ぐ気はないけどな。どうせ親父も俺の弟にでも次期社長の席を譲るだろうさ。今親父とおふくろといっても義母だけどな、はフランスかドイツだかそこら辺に行ってる。ま、ファックスしかねぇか。


 そんなこんな考えているうちに刈谷コーポレーション本社に着いた。そして中に入るや否や、


「お帰りなさいませ、お坊ちゃま」


 本社の店員が俺を見るたびに頭を下げ挨拶する。俺は、お坊ちゃまと呼ばれることが嫌いだ。俺はもうがきじゃねぇんだ……くそっ……。だが親父の立場上これだけは我慢してやるって妥協しちまったからな。


 俺はそのままとっとと部屋に戻った。この本社は三十階建ての高層ビル並みの建物がツインタワーのように二つ存在し、ひとつは本格的な本社、もうひとつは従業員や親族の住居、仮眠室となっている。


 しかし従業員が入れる階は二十階までそれより上は一応今は俺と俺の弟と妹が住んでいる。もちろん世話係付だ。俺の場合は人数が少ないけどな。そしてこの二つのビルは二十階のあたりで長い空中通路でつながれている、長さは約三十メートルほどだ。


 俺は二十五階にある自分の部屋といってもこの階は全部俺のなんだが……で通信室に入った。そしてフランスにいる親父にコンタクトを取った。待つこと一分で親父の画面が通信用スクリーンに写し出された。


「秀明か、私を呼び出すということは何かやりたいことが出来たんだな。お前は自分の好きなことをやればいいさ」


「さすがに鋭いな。ああ、やりたいことが出来た、俺はMBSに入る」


「そうか、MBSに入るか。強くなって来い秀明、社会貢献というのもしておくものだからな」


「親父MBSのこと知ってるのか?」


「ああ。昔ちょっと厄介になったことがある」



刈谷秀明登場です。

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