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燃えた夏  作者: Karyu
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第三話 鳳欄高校 転入(3)


 黒板といっても最新型の黒板型モニターには八つの生徒名が記されていた。それは、


倉木 静香

三菱 賢治

木宮 綾夏

三井 一樹

井上 清水

直木 龍之介

橘  桃香

萱場 流騎


 となっていた。


そして、皆が、手渡された紙切れに各々の思う最適のクラス委員長の名前を書いていった。


俺は、立候補した綾夏の名前を書いて、箱に入れた。


しかし、ほんとにこの学校は最先端技術の宝庫で、投票用の紙切れにすらICチップが施され、他にもセンサーまでもが取り付けられていた。


まだ、言っていなかったが、このクラス、1―1は、生徒数36人。そしてクラスルームは50平方メートルはあり、壁は白く、俺が見たところでは壁自体が空気清浄機、エアコン、そして熱源センサーまでもが取り付けられているように見えた。さらには、天井には監視カメラ、スプリンクラー、そしてさらにはガス排気装置のようなものまでもが、取り付けられていた。

驚くべきことに、生徒は一人ひとり超高性能型机が配備され、各自のコンピューター(PC)が配備され、授業に関するあらゆる教材がインプットされているらしい。コンピューターの作業には毎日のように報告書と、始末書を書かされているので、この作業はあまり、手間取ることなく自分の情報を登録することができた。


しかし、いまだに日本の風習を残し黒板がワイドスクリーンで壁全体を覆っていて、黒板すらもタッチスクリーンになっていてチョークではなくタッチペンで授業を進行するのだが、皆の机に取り付けてあるコンピューターに直接黒板に書かれた内容が同時進行されていった。


話を元に戻すが、なんやかんや言っている間に投票結果が出た。そして出た結果というのが、


倉木 静香 (8)

三菱 賢治 (2)

木宮 綾夏 (12)

三井 一樹 (3)

井上 清水 (1)

直木 龍之介(3)

橘  桃香 (2)

萱場 流騎 (5)


俺は、心の中で安堵の息をつき、しばし、椅子の中に沈みクラスの反応をみることにした。sしかし五票もだれが入れたんだ……?


「はい、ということで、わがクラスの委員長は木宮綾夏さん、副委員長は倉木静香さんに決定。では、起立、礼。では、気をつけて帰るよう」


と言い残し、高ノ原は出て行った。


そして、クラスの中は綾夏を囲って女子男子が色々しゃべっていた。


俺は、一応未来から携帯をからかわれながら未来から返してもらい、人目を盗むようにクラスから出た。そして廊下を歩いて学校の校門を出て、アパートに戻った。




アパートはなぜかルームクリーニングが来るらしく部屋はきれいに片付けられていた。


なるほど、ここまで経費を出してくれるとは、結構MBSも金持ちだな。それだったらもうちょっとましなところがよかったんだけどな。まあいい、とりあえずなんか冷たいもんでも飲むか。


そして、冷蔵庫の戸を開けたとたん、中から男が飛び出してきた。


「うおおおおお!」


俺は、叫び声を出しながら、床に尻を着いた。


「なっはっはっはっはっは」


その、飛び出してきた男は俺の目の前に立ちふさがり、歓喜の声を上げた。


男は優に180cmはいっており、細身で全身をタイツで包み、首元には赤いマフラーを巻いていた。まだ夏であるのに、なんとも異様な変体としか言いようのない格好をしていた。


「だ、誰だお前!? 人の部屋に勝手に入ってきやがって」


「ははは、さすがの水のシルキでもこのドッキリには屈服できまい」


「なに?俺の名前を知っているということは、ただの盗人じゃないようだな。変人であることには変わりないようだが」


「何かいったかねシルキ君?それより、私が君と20:00に会うはずのトンビだ」


「何故、予定時間より早く来た?」


「何、ちょっとしたトラブルがあってな。まあ、君としても早く終わらせたほうがよかろう。とまあ、そういうことだ。それでは用件を説明する。今、お前のターゲットは、小さいころに両親共になくしておりその際、ショックのあまり近くの森へと姿をくらまし1週間行方不明になったらしい。そして、発見された当時、その森は火事で、消火活動が終わってから彼女が出てきたらしい。われわれが予測するにいたっては、彼女が火事を起こしたと思っている。お前も知っているとは思うが広島大火災だ。ちょうど8、9年前だったかな」


「じゃあ、どうやって綾夏はその力を手に入れ、MBSは彼女を即保護しなかった?」


「それにいたっての情報は私にも聞かされていない。だが、彼女はそれなりの理由があるゆえ、今早急にわが組織にへと引き入れたいのだと私は推測する」


「わかった。それで勧誘手段とは?」


「これから、一週間以内に彼女をこちら側へ落とせ。彼女が拒否した場合、処理はお前に任せる。それと、彼女を引き入れる場合は、他人に聞かれないよう気をつけよ。以上が上からの結論だ。なお、個人感情による行動や行為はある程度までは認められている、羨ましい限りだ。うんうん、青春とはいいものだな」


「わかったよ。ったく、あのおっさんはころころと色々変えやがって。へんな気遣い、いや嫌がらせもいつ何時も忘れはしないな」


「ではな、シルキ。何かあったら、今度こそホタルを使え。それと、この任務が成功したときは、報酬が3倍だそうだ」


そういったあと、トンビは消えた。いや、高速移動したといったほうが言いかもしれない。

そうして、俺は開けっ放しの冷蔵庫からコーラを取り出し、飲み干したあと深い眠りについた。



鳳欄高校、私の理想の高校です。しかしこの理想が現実になるような日は来ないのかもしれませんね……。


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