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燃えた夏  作者: Karyu
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第三十四話 流騎の過去・真相

 

 俺はエレベーターでロビーに下りるまでの数秒間の間、少し心の整理をしておいた。カゲフミの前ではなるべく平静を保つようにしたが、今となっては冗談としか思えない。だが事実なんだろう……、何で俺なんかがなんて思うが俺しかやるものがいないんだから仕方がないな。明日には綾夏と静香にも話さなきゃならないな。ふぅ、もう着いたか。


チン


 俺はロビーをそのまま入り口まで突っ切り外に出た。まだ制服だったので夜の街では少し目立ったが何事もなく俺は自分のアパートに向かった。


 俺のアパートはホテルから約十分ぐらいのところで人目のつかない暗いところに建てられていた。明るいといったら壊れかけて点滅しながら着いている電気ポストがひとつあるぐらいだ。


 俺はアパートのドアを鍵で開けて中に入った。ものの見事に入るや否やかび臭い匂いが部屋全体を渦巻いていた……。臭い、こりゃドアを開けたまま準備するしかないな。


 俺は部屋に入り自分の洋服、靴、私物などをかなり大きめのトランクケースに詰めた。そのときに制服を私服に着替えた。改めて部屋の中を見回すと何も残ってはいなかった。どうせここにいつかは戻ってくるから全部持ってくこともないんだよな……。とはいっても見事に端からないから何にもいえないんだが……。


 俺はトランクの中に自分のもの全部入れ終わったか確認した後、部屋のテーブルの上に飾られている一枚の写真スタンドの中から一枚の写真を取り出して制服の胸ポケットにしまいこんだ。


 そしてまたいつかは戻ってくるかもしれないアパートの部屋に別れを告げて駅に向かった。駅には約十五分ほどで着いた。


 だが制服姿の青年がとてつもなくでっかいトランクケースを引っ張っているんだ、怪しまないほうがおかしい。それに団体ならまだ知らず一人なんだからな……。やけに人の視線が気になる。


 俺は夜行列車の切符を買ってホームに向かおうとしたが列車の出発時間と現在の時間を見比べた。出発までちょっと時間があるな、駅弁を買っていくか。


 俺は最初に目にとまったキオスク兼弁当屋でおすすめと書いてあった鯖寿司を一箱とお茶をボトル二本を買ってホームに向かった。しかし改札口を通る前に駅員に、


「申し訳ありませんお客様、その様な大きな荷物は車内への持ち込みは禁止されています」


「そうですか、じゃあこれ」


 俺はポケットの中からカゲフミの用意していた真・MBSの携帯を取り出してみした。そうしたら、


「し、失礼いたしました」


 と、駅員は背筋をただし敬礼をして俺はその横をトランク後と通り過ぎた。MBSの隊員でこの携帯を持っているとある程度公衆には禁じられている大概のことは黙認されるようになっている。


 駅員が敬礼したのは単にMBSが国の一応の軍事組織だからである。この国は昔第二次世界大戦でマッカーサーとか名乗る将軍に日本軍は凍結されたが世界からの呼びかけと日本が国連に呼びかけたのをきっかけになんとか軍事を復旧することに成功したからだ。


 それで、いくらMBSが秘密裏に任務をこなそうとMBSの名は民衆に知れ渡っており、その名目は日本特別捜査機関及びに第二日本公認軍となっている。元は環境省の一端だった為、かなり出世はした。面倒な言い回しだが、おかげでMBSは堂々と公衆の面前でも活動できる。


 俺も今は私服だが任務時になると、特に緊急の場合MBS用のスーツの着用は必然とされている。


 俺はホームのベンチに座って電車が来るのを待った。携帯の時計を見ると時間はもうすでに十時半にさしかかっていた。帰った頃にはもう眠れそうにないな……、電車で寝るか。俺は携帯を取り出して二時に目覚ましといってもバイブレーションで知らせるタイプのやつをセットした頃、電車が来た。


「広島行き、広島行きの本日最終電車でございます。乗り遅れのありませんようお気をつけください。まもなく、広島行き、広島…………」


 俺はすかさず電車内に入りまたも指定席に座って発車する前に買った弁当を食べた。久しぶりに食べる鯖寿司だな……、やっぱりうまい。この昆布と鯖のコラボレーションはさすがだ……、


 などと思っていたら電車は最初はゆっくりと動き出し、俺は四時間もの浅いのか深いのかわからない微妙な仮眠をとることにした……。





暗闇の中……


 カゲフミは自らの能力で影の間を移動しながら流騎のことについて考えていた。


『すまんなシルキ、いや流騎。またお前には嘘を伝えてしまった。だが、それはお前の父親との約束だからな……。許せ。お前もいつか真実を知ることになるだろう。その時、私はお前に全てを話そう。


 お前のチルドレンとしての過去についても……。日本人であるが萱場流騎は私がつけた名前ではない。


 流騎、私はお前の前に立ちふさがる。だから私を超えていけ。そうすればお前は自分の一番大切なものに気付くだろう。


 人間はきっとそういった生き物であるはずだからな。それを証明しろ、流騎』



流騎の過去は一体どうなっているのか?なにがかくされているのか?それは後々、クライマックスへ進むに連れて明かされていく予定です。


それとこの小説、舞台は日本ですがストーリー上侵攻しやすいように背景は多少変えられております。現代のパラレルワールド感覚です。

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