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燃えた夏  作者: Karyu
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第二十話 比婆山強化合宿六日目最終日


「いいか、よく聞け綾夏。俺たちみたいな不思議な能力を持った人間を通称チルドレンという。前にも説明したけどな。それは俺たちが昔現れた八人のオリジナルの後継人だからだ。その八人のオリジナルたちはそれぞれ火、水、雷、地、森、光、闇、そして風だ。俺の能力が水で綾夏の能力が火を扱える能力だ。その元祖八人のオリジナル達がMBSを創り上げた。そして今まで続いているんだが、まあそれでも四十年やそこらだ。MBSは八人のオリジナル達を最高司令官と置き、自分達の後継者をつくりだすため自らの分身をつくりだし日本規模にいるあらゆる特殊な潜在能力を秘めている子供たちに自分達の能力を分け与えていった。しかし、チルドレンになれる可能性の高い者達はよくて五十万人に一人ぐらいだ。決して多くはないが最近はチルドレン発見数が年々増えているけど理由はわかってはいない。それに、今はもうオリジナル達は生存してはいないが分身たちは今も活動していてチルドレンを見つけ、能力を分け与えることで生きながらえているのだということが最近になってわかったが、分身たちの居場所はわからずじまいだ。だが、能力を分け与えられる際、多分俺も綾夏も同じ質問をされたと思う。それは、


「君は生き抜くことができるのかい?この腐敗しきった世の中を―――」


と、その意味の真意はわからないが彼らの言葉からして彼らはこの世の行く末を楽しんでいるように思われるとの判定が下された。もちろん、質問されるといっても挑戦状みたいな感じに受け取れるけどな。そして今のMBSは政府の一応管轄化とはなってはいるが現状では政府なみの実権を持っている。そして、MBSも部署がいくらかに分かれていて、俺がいる部署のオーパーツを取り扱う所、妖怪や珍獣を取り扱う部署、異常気象や幽霊現象を取り扱う部署、とまあ影でいろいろ国のため市民のために働くのがMBSだ。しかし、四年ほど前にMBS内で内乱が起きた。それは十二年前に国でゲリラ戦争が起きたことに起因している。当時の軍上層部が政府の右翼と左翼が結託し首相をその地位から退けさせた。でもこの首相が曲者だった……その首相は有り金を使ってMBSを雇いその地位を武力で取り返した。MBSは当初躊躇したそうだが最終的にその金でうまく丸め込まれたらしい。そして派遣されたチルドレン達は強制的に戦場へ赴かされて約二十人ものMBS隊員が戦死した。そして取り残された残り二十人程もの隊員は一部MBSへと帰還したが一部はその時に消息を絶った。そしてそいつらは自らMBSに対抗する組織リベリオンを結成した。いまでは北海道、京都、広島を本拠地にして活動してる。やつらの中には元軍人もいたからただの反抗組織としてみていると痛い目にあう。MBSも当初やつらを甘く見ていてかなりの被害をこうむった。四年前にリベリオンのスパイがMBS本部に入り込んでいて、かなりのチルドレン隊員が殺された。しかもそれは日本中にある本部を同時に急襲した。何とか反抗しスパイたちを排除、後からやってきたリベリオン達を追い返すことができても被害は大きくそれをきっかけにMBSを辞めたやつも多くいて、一時は壊滅の危機にも陥ったが何とか今では復帰している。俺は四年前、鳥取MBS本部にいた。そして広島リベリオンリーダーのシコン達率いるリベリオン達と戦ったが、俺は重症をおって瀕死状態になった……。だが戦闘不能に陥る前にシコンの右肩に深手を負わせたから、そこでリベリオン達による急襲は終わった。それ以来俺はグレード1から10まで格上げされた。今でも信じられないけどな。この手の甲の傷はリベリオン急襲前にやられた傷なんだけどこれも四年前にやられた。それと今日本にあるMBS本部は熊本、愛知、鳥取、滋賀、東京と山形にある。なるべく人目につかないところにいないといけないからな。そこで、ここに来る前に行ったところは広島MBS支部だ。それで敵地のど真ん中で合宿してる。俺はここはあんまり好きじゃないんだけどな……。まあそれはともかくざっとこんなところか……。他にわかんないところとかあるか?」


「う、うん……。そのリベリオンってどんな活動してるの?ただのMBS反抗団なの?」


「ああ、リベリオン達はMBSをつぶしたがっている。そしてチルドレン達をきっと自分たちのような目にあわせたMBSより多くのチルドレンを勧誘してる。きっとまたいずれ大きな戦闘になる可能性がある。はあ、もう、日が暮れたか……。今日はこれまでにして寝よう。明日は最終日だし体力付けとかないといけないからね」


「うん、わかった。じゃ、お休み流騎くん」


「ああ」


 俺は、きっと話し疲れたのかすぐさま目を閉じることができた。





七日目(最終日)






 ざわざわと心地よい風が木々を揺らし、暖かい日差しが木々から垣間見え俺の顔を照らしていた。


 昨晩の綾夏への話はまああれで多分大丈夫だろう……。俺からしてみてもあれぐらいできりをつけておいたほうがいいだろう。あんまし昔のことは思い出したくないからな。特に俺がMBSを入る前までのことは……。


 そんなことを考えているうちにだんだんと目が冴えてきてようやく起き上がることにした。しかし、さすがに七日間よくもったもんだな、いろいろあったが……。しかし最近はあのキメラやモンスター達の攻撃が止んだな。


何か裏で動いているのか……?


それともやっぱりあいつらはリベリオン達が作ってるモンスターなのか?としたら、やはり何か起こってるな、それを突き止めてから広島支部に戻る必要がありそうだな……それともホタルを使うか……。


それじゃ今日の最終試験は実技で確かめてみるか、その方が明らかに実力がわかるし臨機応変さをはかるのにもちょうどいいからな。さて、そろそろ起きるか。


「ふぁ〜あ……」


大きく背伸びをして寝袋からまだ完全に起ききっていない体を這いずり出し、俺の隣で静かな寝息を立てて寝ている綾夏の顔を見つめた。


 ちょうどその時、陽光が綾夏の顔を照らし綾夏の髪を輝かせた。


 一瞬俺の胸の中の鼓動がどくんと唸り俺の視線は綾夏の顔に数秒間釘付けになった。一体俺は何を考えてるんだ、そりゃかわいいが寝ている相手をまじまじと見つめるなんてやることじゃないな……。早いこと起こそう。

「おい、綾夏…おきな。今日は最終日だぞ……」

「うぅ〜ん、後五分……」

「はあ、まあいいか今日ぐらい……。じゃあ、おれはちょっくら散歩してるから一時間以内に起きて、朝ごはん作っておいてくれないか?」

「うん、だいじょうぶ……。いってらっしゃーい……むにゃ」

 なにがむにゃなんだ……。まあいい、さてと早速いくか。俺は綾夏を後に残して深く生い茂る森の中に入っていき山の中を駆けた。



なんだかサブタイが危うくなってきています。のは気のせいでしょうか?

たぶんそうではないですね。気のせいじゃないのでしょう。すみません。すみません。でももうどうしたらいいのでしょう?続けるしかないですね。

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