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燃えた夏  作者: Karyu
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第十一話 比婆山強化合宿三日目(2)

 

ここは、中国地方にあるMBSの本拠地、鳥取MBS本部。一般的には知られておらず、政府によって支援されている秘密機関だ。その、本部のある部屋で流騎の上司であるカゲフミとあるもう一人の男が話していた。


「カゲフミ、もうそろそろ真実を語ってもいいころではないのか?シルキもいい大人だ。真実を受け入れるぐらいの心持はあるだろう。違うか?」


「まあな。だが今はその時期ではない。それに、今あいつはアヤカのトレーニングに必死なはずだからな」


「だが、しかし」


「いや、それに今やつに話したら確実にやつはこの組織から抜け出すであろう。私たち全員を殺してでもな」


「な、そんなことがあるものか。いくらなんでも、一人でこの本部にいどめるわけが……!」


「だが、やつは本部で一番強い。それに、やつのパートナーも経験をつめば、恐ろしいほど強くなるだろう」


「う……わ、わかった。なら、この件はまたいずれ話し合おう。それでは私は関東地区に戻る。また何かあればいつでも掛けて来い、昔みたいにな」


「ああ、わかった。礼を言うダイテツ」


そしてダイテツという男は関東、東京MBS本部からの通信を切った。




「あ、綾夏。本当にこれお前がやったのか?」


「う、うん。ど、どうしよう流騎くん。ちょっと張り切りすぎてたら」


なんと今さっきまで練習場と化していた川のほとりが炎に包まれていた。一体、どれだけの力を使えばあんな短時間の間にこれだけの火をおこせるんだ?


「綾夏、今から雨を降らせる。だから荷物とその鳥をあの木のところまでもってってくれ」


「う、うん。わかった」


俺は、綾夏の作業を終えるのを見届けた後、術を唱えた。


「自然の神よ、今わが力となりて、この大地に憂いの雨を降らせたまえ。レイン・シャワー」


そして術を唱えた直後、山にそして町に至るまで雨がさらさらと降りだした。


そして俺は綾夏の待っていた木の下へと戻った。


「すごいね流騎くん。雨まで降らせちゃうなんて」


「綾夏も練習すれば火の雨ぐらい降らせるさ、まあやらないことを祈るけどな。それより、どんな技を考え付いたんだ?あんなになるほどなら相当なもんだろうな」


「え、そうかな……?でも、うん、技のひとつは完成したよ。名付けて、ファイアーアロー。すごいでしょ」


「うーん、まあ、技を見るまではな。今、やってみろ」


「うん、わかった。わが拳よ炎となりて我が弓矢となれ!ファイアーアロー!」


すると綾夏の拳に炎が宿り、左手に弓、右手に矢ができた。そして、それを弓道のように矢を後ろに引いて放した。そしたら炎の矢は見る見るうちに加速して行き、雨を蒸発させながら川の向こうにある木を倒した。しかし、なんてやつだ……。


訓練初日であんな破壊力なんて。やはり、綾夏の力の請け継ぎの際には何か裏があったに違いないな。そう、昔の俺のように……。


「よし、今日のところは合格だな。明日はより高度になるが、今日みたいな感じだと問題ないだろ」


「それじゃ、雨が上がるまで何しよっか?ご飯作る?この鳥で」


「ああ、そうするか。ちょうど腹も減ってきたしな」


そうして俺たちは今日の訓練も無事に(?)終わり、飯の支度に取り掛かった。


今日は綾夏もちゃんとコントロールできるようになったみたいだしな。昨日みたいに飢えを我慢しなくてもいいだろう。


俺たちの周りにはまだ雨が降っていた。火事は収まったがこっちのほうは当分止まないだろう。だがたまに雨ってのもいいもんだな。なぜか、落ち着く……。


そして、今日は安らかに日が終わるはずであった。綾夏の言葉を聞くまでは。


「流騎くん、どうしよう……。雨のせいで落ち葉や枯れ木が全部ぬれちゃって、燃えない……」


俺は綾夏に自分で燃やしてみてくれと頼んでみたが、さっきの技で力を使いすぎたためか鳥を調理するだけのコントロールは難しいらしい……。


まあ確かに俺たちチルドレンは自分たちの能力を使えば使うほど体力が消耗してしまうからな。


今日の夜も飢えを我慢せねばならないようだ。くそ……!




ここは、広島の一角にある某所、ここである二人の科学者がある組織の実験室で何かを話し合っていた。


「やつは一体どうなっている?」


「まだあの山で生きているらしい」


「何?我がモンキーとホークスを送り込んだのにか?」


「ああ、そうらしい」


「ではあのキメラはどうした?」


「やつもやられたらしい」


「なんだと!?それではなんとボスに言ったらいいのだ?我らの首が飛ぶぞ」


「なに、それはありえん。現にあのモンスターたちを創れるのは私たちだけだ。それに、キメラ程度ではグレード10のやつにかなうはずもないことはボスも承知だ」


「では何故、ボスはあのような命令を?」


「まあ、たぶん我らの限界がキメラだということを知らせるためではないのか?あるいはただの捨て駒か」


「しかしいくら我らがキメラ以上のものを現に作れるとしてもだ。また同じ結果に終わるのではないか?」


「ああ、そこで私はあるものを開発した」


「なんだそれは?」


「モンスターたちのステータスを一定時間の間やく2倍以上引き出すことのできる強力剤だ」



綾夏の成長ぶりは目を見張るものがありますね……。ちなみに後書きは短いですが、それでもないよりましなのかな?とおもっているKaryuですのでこれからもこんな感じで行きたいと思います。

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