第百十三話 リベリオンMBS襲撃事件(三)
すみません、期間あきすぎました・・・。
「ふぅ、これで結構儲かるな」
キョウコの放つフラッシュの嵐の後のその一声で俺は目覚めた。
「おいっ、その写真どうするつもりだ!?」
「ん? ああ、お前が気に病む必要はない」
「おおありだ!」
俺の激昂は、しかし次の瞬間俺の怒声はかき消された。
なぜなら俺たちのいる棟の全体が揺れたのだ。しかも爆撃音と共に。
ドゴオオォォォ!!
「な、なんだ……っ!?」
「始まったか」
俺はキョウコがそういったのを聞き、
「おいキョウコ! どういうことだ!?」
「ん? いや、つい口が滑った」
「なに!?」
しかし俺の問い詰めを遮るようにMBSの館内放送が流れた。
「緊急放送、緊急放送。本部と残りの五棟で爆弾物が爆発。当本部内の隊員は速やかに原因究明と犯人を見つけ次第拘束。もし戦闘になった場合は殺害もやむなし。繰り返す……」
俺はいてもたってもいられずキョウコの研究室から出ようとしたらそれをキョウコに阻止され、床に叩きつけられた。
「ぐはっ!」
「おとなしくしてなシルキ」
俺はうつ伏せ状態で腕の両方を固く間接止めされて身動きができなくなっていた。
「な、なにしやがる、キョウコ!」
「総司令からの命令だ。お前をあいつに会わせるわけにはいかない」
「あいつって誰のことだっ!?」
「お前はまだ知らなくていいさ」
「くそ、放せっ!」
「お前、そんな言葉遣いでその服装だとアンバランスすぎるぞ」
俺は脚をばたつかせなんとか態勢を立て直そうとするも、キョウコ自身が俺の背中を体全体で押さえ込んでくるため脚もいとも簡単に止められてしまった。
「なにもかもお前の所為だろうがっ!!」
「私の知ったことか」
くそっ……! 絶対抜け出してやる。こうなったら……っ!
「水速転換!!」
俺は顔を下に地面に伏せられていたのを、両手を使って上半身を持ち上げた。
そして右手を軸にキョウコに回し蹴りを放った。
「ぐっ……!!」
キョウコが顔を顰め、2、3メートルほど放れた隙に俺は研究室から抜け出した。
「こらっ! まてっ!」
とキョウコが怒鳴っていたが俺は当然のように無視した。
廊下に出ると、壁沿いに付けられたランプが赤く点滅し警報を放っていた。
そんな中、俺は中央ビルに向かうためにこの棟に付けられた空中廊下を目指して走っていると廊下の角で誰かにぶつかった。
「うわっ!」
「きゃっ!」
俺は後ろ向きに倒れ、尻餅をついた。
俺がぶつかった相手は少しよろめいただけで、
「だ、大丈夫?」
と手を差し伸べてきた。
「あ、ああ、ありがとう……」
俺は差し出された手を握り、立ち上がった。
「えっ!? もしかしてシルキ!?」
「ん? ああ、モモか」
「………………ぷっ」
「おい、お前今笑っただろう!」
「う、ううん。わ、笑ってなんかない、よ……くっ、くっ、くっ」
モモは我慢の限界なのか遂には、
「あっはっはっはっは……!!」
「うるさいっ! 黙れっ! こっちも事情があるんだよっ!」
モモはやっと笑いを抑え、俺の顔を、いや目をじっと見つめた。
「あっ、なるほどね。でも、キョウコさんもセンスいいね。写真分けてもらおっかな〜」
「や、やめろっ! それだけはっ! というかモモ、今の状況はっ!?」
「あ、そうそう。なんでもリベリオンが攻めてきたんだって」
「なにっ!?」
「それでさっきの爆発はMBSに潜入していたリベリオンのスパイのせいなんだって」
「現状は?」
「えっと、広島リベリオンリーダーのシコンが今中央ビルにいるって。それでここのスーツを着ているリベリオンスパイは全員捕らえたって。それでリベリオンの容姿は知ってると思うけど肩と胸に例の紋章が付いてるから」
「ああ、わかったる」
「それじゃ、いきますか」
「そうだな」
俺はモモと一緒に中央ビルに繋がる空中廊下目指して駆けた。
そんな緊迫した中でもモモは俺の方をちらちらと横目で見ながら、薄らと笑いを浮かべていた。
くそ、後で見てろよ。
流騎「なあ、作者」
作者「はい」
流騎「わかっててやってんだろうが、こういう形式ってのは他にたくさんの先生方もやってるよな?」
作者「お、おっしゃるとおりで……」
流騎「知っててやる。良い度胸じゃないか」
作者「あ、ありがとうございます」
流騎「そんなんで俺達をほったらかしにしてきたことを誤魔化そうなんざ、なあ?」
作者「ひっ!!」
流騎「骨身に沁みさしてやるよ」
作者「す、すみませんでしたーーーー!!!」
流騎「あ、おいっ! 逃げんな!! 水速転換!!」