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燃えた夏  作者: Karyu
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第十話 比婆山強化合宿三日目(1)


三日目




今日も、昨日とまったく同じ風に俺たちは目覚めた。そして、綾夏の力のコントロールに今日は力を入れてみようと試みた。


「よし、綾夏、この木の葉に力を入れてみろ。今日はそれを自分の思い通りの箇所を焼いてみろ。それができるようになったら本格的な訓練に入るからな」


「うん、わかった……」


ボッ


葉は葉の回りから燃え始めたが綾夏は顔を(しか)めたままだった。


「思い通りにいかなかったか?」


「う、うん……」


「まあ、頑張るんだな。こればっかりは執念と努力がものを言う」


「う、うん。わかった」


 それから一時間かけてやっと綾夏は思い通りのところに自分の意思通りの箇所に火をつけることに成功した。


「ああ、なるほど。それで、今日の訓練は?」


「綾夏のコントロールを鍛える。まず手始めに自分で技を考えろ。そして自分の描く技になるまで練習するんだ。まあ大体技は10個ぐらいあればたいていなんでもできるけどな。まあ、それよりもまずは基本からやるぞ」


「うん」


「よし、レッスンその1。自分の手の上に自分のちからの塊を生み出せ。この場合、塊のことをケイという。たとえば俺の場合水だから手の上に水の玉を生み出す。こんな風にな。やってみな」


 俺は自分の右手の乙の三センチ上空に水の球を作り出した。


「なんで棒読み?ま、いっか。よし……えいっ!」


ボッと、綾夏の手の上に火の玉が現れた。


「よし、次はその球の形を変形させるんだ。まずは基本的な形から、そしてだんだん高度にしていけ」


「わかった。えーっと四角、三角、五角形、星に、魚に、花に、蛸。わーい、できたできた。」


「何だよ、蛸って……。けど、まあ、よし第一関門突破だ。しかし、覚えるの早いな」


「わーい、よかった〜。ちゃんとできた」


「レッスンその2.生み出したケイを投げよ。このときの動作をトウと呼ぶ。手の上に生み出したケイを標的めがけて投げるんだ。やってみな」


「うん。とおっ!」


「うおっ!」


俺は自分めがけて飛んできた火の玉をすんでのところで避けた。


「ごめん、流騎くん。だいじょうぶ?」


「あ、ああ、なんとかな。今度は俺じゃなくあの岩めがけて投げてくれ」


「うん、わかった」


そして、20分ほど過ぎて綾夏のコントロールも良くなってきた。


「よし、じゃあ次いくぞ。レッスンその3、威力をコントロールしろ。自分のケイの威力を手の上でコントロールするんだ。小さくしたり、大きくしたりしてみろ」


「うん。わかった」


しかし、これが難点で綾夏の作り出すケイは一向に小さくはならなくだんだんと大きくなっていくだけであった。それが、一時間やっても上達しないので今日はいったん切り上げることにした。


綾夏の上達ぶりには目を見張るものがあったがそれはそれで俺には好都合であった。


「よし、そして今日最後の特訓だ。こんどは、今習ったことを全部用いて自分の技をひとつ作ってもらう。時間は今日の日が暮れるまで。それでは、スタート」


「え、ひとつだけでいいの?」


「ああ、でもそのひとつが結構難しいからな。頑張りな。俺は、食料調達しに行ってくる」


「わかった」


そして、俺は綾夏を残し森の中へと今夜の飯を探しに行った。そして、野鳥を二匹捕まえたところで、事件は起きた。なんと、またもやモンスターが襲ってきたのだ。そいつは一匹だけではあったがなんとも恐ろしい姿であった。なんと、獅子の体に鷹の翼、そして猿のような顔をしていた、まるでキメラのように。


「お前がシルキだな。負けた恨みここで返させてもらう」


「おい、何だよ急に。第一にお前らにけんかを売られる心当たりはなくもないが、俺はお前を負かしたことなんて……。ま、まさか」


「問答無用!。くらえ、土竜の怒り!」


キメラがその技を吼えたと同時に地面が揺れ始めた。くそ、こいつの力は土か。まあいい、それなら俺にも策はある。俺は、地面をけって空中に跳んだ。


「氷固怪蝶!」


そして、どこからともなく無数の青白く輝く透明な蝶がキメラ目掛けて飛んでいった。危険を察知したのであろう、キメラは術を解き地面の石を操り蝶たちを粉砕したが無数の蝶の大群を防ぎきることができず、氷の蝶たちの出す鱗粉によって、凍ってしまった。


「他愛もない」


俺は、その凍ったキメラを一発で粉砕した後俺はその場をたった。


俺は、捕まえた鳥を肩にぶら下げ、川のほとりへと戻った。しかし、モンスターたちを合成できるとは、いやこれも怪奇現象のせいなのか?いや、待てよ、やつらはボスと名乗っていた……もしかすると、そいつらの親玉が怪奇現象を生み出しているのか?まだまだ、追求することはありそうだな。


そして、俺はそこで信じられない光景を目にした。



新たなモンスターキメラタイプが登場しました。

この小説はパラレル型ファンタジーなのでそういった要素がちょくちょく出てきますね。


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