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燃えた夏  作者: Karyu
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第九話 比婆山強化合宿二日目(2)


「おい、綾夏、そっちは片付いたか?」


俺は後ろを振り返り、信じられない光景を目撃した。


なんと、猿軍団同士が互いを殺しあっていたのだ。そして、綾夏はそこで呆然と突っ立ってフライパンを片手に持っていた。


「おい、綾夏大丈夫か?」


「うぅ……流騎くん、恐かった」


と、泣きながら俺の方に寄ってきた。


「一体何が起きたんだ?」


「あのね、私、まだ自分の力の加減がわかんないから。お猿さんたちに、最後に生き残ったお猿さんには私を好きにしてもいいって言ったら、こうなっちゃった。その間に、最後の一匹をやっつけるために今フライパンをもって待ってたんだけど、流騎くんのほうが早く片付いちゃったってわけ。でも、恐かったよ」


「猿ってここまで馬鹿だったのか。まあいい、おれが最後のやつをやっつけてやる。しかし、よくやったな。綾夏、ナイスブレインプレーだ」


「ふぅ、よかった。役に立てて」


「まあやることは増えたけどな」


「えー、そんな〜」


どうやら、猿軍団のほうもけりがついたらしい。傷だらけの最後の一匹が29匹の死骸の上に立っていた。


「ゼー、ゼー、ど、どうだ。これでお前は俺のものに……」


「黙れ」


俺は渾身の一撃で最後の猿を冥界へ送ってやった。


「よし、じゃあ、行くか綾夏」


「うん」


そして、また俺たちの山登りが続いた。


そしてその間に俺は綾夏のトレーニングプランを考えるとともに綾夏の夢のことも気にかけていた。何故、あそこまで確実な正夢が見れるんだ?それに、猿どもを自滅させたときも……。

まさか、そこに綾夏のグレードの高さが関係するんじゃ……?


「何さっきから考え事してるの流騎くん?」


「なあ、綾夏、まさかお前の見る夢は何もかも現実に起きるのか?」


「え、う、うん。実はそうなんだ。けど、それは一瞬だけのことであんまり覚えてることは少ないんだけどね。今日のはちょっと恐かったから鮮明に覚えてたんだ」


「やはり、そうか……。それと綾夏、さっき自分の力を使ったことがないって言ったよな?それは、いつごろからだ?」


「え、うーんと、確か8年ぐらい前かな」


「その理由は?」


「私のせいで山火事が起きちゃったから」


「まさか、それって8年前の野呂山山火事事件か?多数の焼死体が発見されそのとき見つかった子供が無傷で保護されったって言う……」


「そう、それが私の過去。私のせいで山が焼けちゃって。とってもつらくって私はそのときから自分の力を使わないことにしたの」


「じゃあ、何故俺の組織がお前を必要とするかわかるか?」


「ううん、でもカゲフミさんの言うとおりだったらわたしを見込んで……」


「いや、なことではあの親父は人を選ばない。それになぜトンビは偽の情報を俺によこしたんだ……。何か、裏があるな。まあいい、それは後回しだ。とにかく今は目的地へ急ごう」


「うん」


そして、約10分後に俺たちは川のほとりについた。


俺たちは荷物を置き早速訓練を開始することにした。


「綾夏、まず力を使ってみろ」


「え?でも……わかんない」


「じゃあ、この小枝をやるから。これに火をつけてみろ」


「う、うん、わかった」


そして、綾夏は五時間にも及ぶ奮闘の末やっと小枝の先端がこげたのであった。


先は長そうだ……。




あっという間に日は暮れ、綾夏も次第につかめてきたのかそれとも自分の力に惚れてしまったのか、あれからずーっと小枝ばかり燃やしている。案外、両方かもな。


「おい、綾夏。いい加減にして飯の準備するから火をおこしといてくれ」


「あ、うん、わかった」


俺は昨日とは違い、川にいる魚を捕まえた。水を扱える俺にとって、水のあるところは俺の庭だといってもいい。魚を捕まえることぐらい朝飯前だ。


そして、よく漫画で出てくるように火の前で魚を焼いて食べるはずであった。


しかし綾夏が自分で調理すると言い出した。まだ、加減がわかっていないのであろうにと思いながらも魚を綾夏に渡した。


すると俺の予想通り、取ってきた魚を丸焦げにしてしまった。


せっかくのご馳走が炭と化してぽろぽろと綾夏の手の上から落ちてしまった。




まだまだ先は長そうだ……。



またまた気付かず内にこんなにも長くなってしまいました・・・・・・(汗

読むのにかなりの時間がかかってしまったことお詫びします。自分で読んでみても

長っ・・・・・・と感じてしまいました。各話の長さが不安定なのはいけないことなのでしょうか?

そして綾夏と流騎の摸擬戦です。なかなかこういう機会はないので綾夏を勝たして見ました。

あまり主人公ばっかり勝っててもつまらないですからね(笑


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