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推理~狼への道~  作者: 菖蒲川
2/4

神威 凛

まだ推理な感じではありません。

あと3人、我慢して読んでいただければ幸いです。

想像していよりも汚い都に私は来た。

それでも、私はこの東京での暮らしに胸を高鳴らせていた。

多くの高校から声をかけられたが、東京から声がかけられたとき私は迷わずここを決めた。

とにかく私は都会に憧れていた。

別にギャルになりたいとか、素敵な出会いを求めて・・・なんていうのではない。

ただ、”冒険”のように思えた。

私は失敗も煙たがられるのも恐れない。

だから、人狼というゲームを好きになった。

あのスリルは病みつきになってしまう。

人狼に出会う前の私は、やっぱりクラスの人達全員というわけではないが嫌われていたと思う。

とにかく、何にでも首をつっこんでしまうのだ。

今日、入学式を終えたばかりだがやはり新しい学校というのは探検するのに最高だ。

それにしても、意外と広い。

「明日また続きしようかしら。」

教室に戻ろうと後ろを振り返ると、クラスの椎名しいな ねこさんが廊下の隅の方でこちらを見ながら隠れているようだった。

「あのさ、隠れきれてないわよ?」

・・・。

「いや、あの~、私は~・・・。」

一瞬の間があってから彼女はたどたどしく答えた。

「あの~、・・・神威、・・・凛、・・・さんですよね?」

私が少し背が高いからもあるだろうが、彼女の小さい体に大きな瞳で見上げられたために、女の私でも少し心臓の跳ねるのを感じざるをえなかった。

「そうよ。なにか用事でも?」

「い、いえ! あの、私あなたがた5人のファンといいますか~、その~・・・。」

「あら、中学時代の私達のこと知っているの?」

「はい! それはもう、有名人ですから!」

彼女は大きい瞳をよりいっそう大きくして答えた。

「で、ですから、す、少しでいいので、お、お話させていただけてもよろしいでしょうか?!」

テンパってるのがこんなにわかる人も珍しい、いや人狼をやっているとみんな表情に出さないからかとおもったが、可愛らしさをおぼえた。

「ふふ。いいわよ。じゃあ、ここで立ち話もあれだし、中庭にベンチがあるからそこで話しましょう?」

「い、いいんですか?! ありがとうございます! 中庭まだ行ったことないから楽しみです。」

彼女の笑みは小動物から得られる”癒し”そのものだった。


「それで、何が聞きたいのかしら?」

「え、えーと。いきなりなんですけど、5人の中で順位をつけるとしたらどうなりますか?」

「そうね・・・。それは結構難しいわ。私達のプレースタイル知ってる?」

「もちろん! ちょっと意味違うけど”分業制”みたいな感じですよね?」

「そう。人狼が得意なやつもいれば市民が得意なやつもいたわ。でも、もし私が決めていいのであれば、巽かしら?」

「大蛇巽くん? どうしてです?」

「あいつはね、人の心を透視するかのように、人を観察することに秀でてたの。正答率は、3~4割くらいかしらね。」

「それって、かなり凄いことなんじゃ・・・」

「でもね、あいつ自分で納得しちゃったら後は人を疑わないで自分の目を信じちゃうの。絶対当たってる保証はないのに、馬鹿でしょ?」

私は笑ってみせた。

でも、実際にそれでハズしたことは何度もあった。

「あ、あと1番弱いとすれば私だと思うわ。」

「ど、どうしてですか?!」

「私ね、ホントに何の得意役職がないの。」

「いや、そ、そんなことないですよ!」

「あら、じゃあ何が得意に見える?」

「そ、それは・・・。そういうことじゃなくて・・・。」

「いいのよ。意地悪してごめんなさいね。」

「で、でもっ!」

「さ、もう暗くなるわ、帰りましょ! 私、お腹すいちゃった。ここら辺にコンビニあるかわかる?」

「・・・。」

「どうしたの?」

「神威さんは多分、自分の才能に気づいていないんだと思います。」

「そう?」

「そうです! だって、私は神威さんに憧れてたんですっ!」

「えっ?」

彼女の顔は明らかに夕陽のものとは異なった染まり方になっていった。

「ご、ごめんなさい!」

そう言うと、彼女はカバンを抱えながら、私から逃げるように帰っていった。

「才能かぁ。本当に私にあるのかしらね。」

他人を知る前に自分を知らなくてはいけないと、そうでなければ高校で例え他の4人に当たっても負けてしまうと思った。

「さっそく明日から、部活行こうかしら。あ、あと、明日猫ちゃんにあったらお礼言っておかないと。入学早々やるべきことが見つかるなんてラッキーだわ。」

私もカバンを持ち、ベンチを後にした。

「あ、コンビニで肉まん買って帰ろう。」

4月と言ってもまだ少し肌寒い東京での春を迎えた私の第一歩は、”小さな猫”に癒しとヒントを与えられてスタートした。

自分のイメージでは椎名 猫は全体的に小さな女の子でショートな黒髪って感じです。

あと、今更ですがこの小説の5人の苗字は大分マイナーだけどその人物に合うようなのを選びました。

毎回名前によみがな付けて欲しいなどというお声もあればお聞かせください。

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