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推理~狼への道~  作者: 菖蒲川
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春夏秋冬 碧波

最近、人狼ゲームが流行っている・・・

自分の中でだけかな?(^_^;)

ってことで、書いてみました。

皆さんよろしくお願いします。

僕は沖縄の高校へと進学した。

入学式を終え、部活の勧誘を受ける一年生を教室の窓から眺めていた。

はっきり言って、僕は運動は好きではない。

なんというか全く気力が湧かないのだ。

クラスメイトが体育で喜ぶのは理解できない。

でも、別に勉強や音楽、美術が得意というわけでもない。

名前の碧波あおはという爽やかさとは反対で、暗く無気力な人間なのだ。

そう思っていた。


中1の夏、僕の興味を引くものが現れた。

いつものように帰路途中、財布を忘れたことに気がつき教室に戻った。

これが僕の人生を変える忘れ物となる。

「お金盗られてなければいいけどな。」

お金のことは心配だったが、別段急ぎはしなかった。

そして、教室の中に数人の男女の声が聞こえた。

「だから、4人じゃ無理だって、最低でも5人いないと出場できないんだよ?」

明るい声がまず聞こえた。

神威かむいさんか?)

「じゃあさ、誰かクラスの奴から1人選ぼうぜ。」

(この声は大蛇おろちくんだ。)

大蛇おろち たつみくんには、ちょっと憧れていた。

僕とは真逆で明るく、男女問わず人気があり嫌味のない人だ。

「…選んでも、クラスの人多分、経験者なし。」

(あー、これは如月きさらぎさんだ。)

「でも、私大会出たいですの。だから、初心者には今からでもルールを教えてあげれば間に合うと思うんですの。」

(”ですの”ってことは衣鈴いすずちゃんか。)

「そうだよ。俺らが優し~く教えてやれば、それなりにできるようになるだろ。第一、4人じゃ練習もできねえよ。」

「…そう、でも今日もう全員帰った。明日、勧誘、開始?」

「まあ確かに巽の言うことも一理あるわね。あと一ヶ月しかないけど、出場できないよりはマシね。」

「だろ? じゃあ、明日から全員で1人ずつクラスの奴ら当たってみようぜ!」

「待つんですの。私たちの熱意を1人のお方にお伝えしたほうが、きっと参加してくれると思うんですの。」

「む、そうだな。じゃあ、明日から適当に1人選んで俺らの意気込みをつたようぜ!」

(巽くん、適当は良くないんじゃ・・・。)

「だ、か、ら、ちょっと待つんですの!」

「…巽、バカ? 適当に、選んでも、意味、ない。」

「そうよ、巽はいつも結果を早くに出しすぎよ。悪い癖なんだから、自覚して直しなさい。」

(みんな仲いいな・・・。)

「わ、わりぃ。んで衣鈴どういうことだ?」

「まったく。いいですの? 選ぶと言っても使えない人材はいらないですの。私たちの必要としてる人をある程度事前に決めておくのが得策だと思うんですの。」

「なるほど。じゃあ、今誰にするか決めちゃおうぜ。」

(というか、なんの話してるんだろ? そして、教室ちょっと入りにくいな。)

「…ポーカーフェイス、必須。」

「そうね。あと他の部活に入っていない人がいいわね。」

「そうですの。でも結構な人がもう既に他の部活に入っているんですの。」

「あ、そうだ! 俺、前々から参加させたいやつがいるんだけど聞いてくれるか?」

「巽の人選なら、誰も、文句ない、と思う。」

「そうね。巽、人を見る目だけは確かだからね。で、名前は?」

「んー、俺バカだからさ、ちょっと漢字読めなくて。・・・あははは。」

「ちょっと黒板に書いてみるんですの。」

巽くんはカツカツと名前を書き始めた。そして、

(えっ、僕の名前?!)

「ごめん、それ私たちも苗字ちゃんと読めないけど、名前はわかると思うわ。しゅんかしゅうとう あおなみ君かしらね?」

僕は気づく前に体が動いてしまっていた。

「”ひととせ あおは”です!」

この時、無気力な僕がなんで自分から名乗ったのかわからなかった。

でも、それは多分初めて”必要とされた”気がしたから。

でも・・・。

ポカーーーーーン。。。

「あ、、」

(やばい、みんなこっち見てる、このあと何て言ったらいいんだ?)

僕は耳まで熱くして、赤くなっているのがわかった。

「す、すいません・・・。僕、ただ、財布を忘れたので取りに来ただけで、あの・・・。」

「へぇー、”ひととせ あおは”って言うのか! 俺は大蛇 巽、よろしくな!」

「さっそくですが、あなたにお願いがあるんですの。」

この後、僕は’人狼ゲーム’についての説明を受けた。


人狼ゲームとは・・・。

「とある平和な村に、人の見た目をした狼(人狼)が紛れ込みます。

人狼は夜になると村人の誰か1人を食い殺してしまいます。

昼間は村人が全員起きているので、さすがの人狼も多人数には勝てないためおとなしくしています。

この昼間の時間で、村人たちは村に紛れ込んだ人狼を話し合いにより探しだして1人を処刑します。

しかし人狼は人の見た目をしているので、誰が人狼か村人にはわかりません。

村には村人と人狼以外に、人狼かどうか見分ける能力をもった占い師や、人狼の味方をする多重人格など、様々な能力、特徴をもった人がいます。

村人たちは彼らの話す情報を元に誰が人狼かを暴きだして、村から人狼を排除するため毎日一人ずつ処刑していきます。

人狼が全員いなくなった時点で村人チームの勝利。村人側と人狼側が同人数以下になったら人狼チームの勝利というヨーロッパ発祥のゲーム。」


みんなはこの人狼ゲームの全国大会に参加する為に1チーム5人という人数制限で悩んでいたらしかった。

そして、僕が加入し人狼部を作った。

全員一年生ながら地方大会を勝ち抜き、3年間地方大会では負けなしだった。

全国大会はそれぞれの県から2チーム、都道府からは3チームずつ参加するため、全98チームの参加となる。

1回戦は12チームから6チームが勝ち上がり、2回戦は隣のブロックと合わせた12チームのところと、シードチームを合わせた13チームのところがそれぞれ2ブロックずつあり、それぞれ6チームと7チームが勝ちあがれる。

3回戦(準決勝)は2ブロックからなり、それぞれ13チームから7チーム選ばれ、決勝は14チームで行われる。

勝敗はポイント制で生き残った日数と勝利チームにポイントが加算される。また、1番初めに殺された人物はいじめのように集中するといけないので、少し多めのポイントが与えられる。

そして、僕らの戦績は・・・。

1年目、2回戦敗退。

2年目、決勝進出で6位。

3年目、準優勝という快挙を成し遂げた。

人狼大会は夏の甲子園と同じくらいの人気があり、プロのチームがありそれで食べている人もいるぐらいに影響力のある大会なのだ。

そして、準優勝した僕らには当然、全国の高校から声がかかっていた。

確かに、全員で同じ高校に行き同じチームで今度こそ優勝を狙う選択肢もあった。

だけど、いつしか全員が全員の話術や推理力で真剣に勝負したいと思うようになっていた。


そして、夏のような麗らかな春の日。

「じゃあ、行くか。」

教室を後にした僕は部活の勧誘が待つ、正門ではなく人狼部への部室へ向かうのだった。

読んでいただきありがとうございます。

結構、春夏秋冬ひととせっていう苗字気に入ってます。

なんか、かっこよさと可愛さを兼ね備えているような(笑)

引き続き、よろしくお願い致します。

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