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短編

あまたのあなたのものがたり

作者: RK

 あなたはふと疑問に思った。


 この風は一体どこから吹いているのだろうかと。


 風はなんのために吹いているのだろうかと。


 そう考えると次々に数多の疑問が溢れ出て来た。


 せき止めてた水が流れるように。


 あなたの頭が疑問で満たされた時、あなたは旅に出た。


 あまたの地を廻った。あまたの人と出会った。


 あなたは新たな土地に着くたびにそこを見て回り、そして道行く人に訊ねた。


 あなたはどうして生きているのかと。


 突飛な質問に目を丸くする人が大半だった。


 そんな質問をするあなたに人々はあまたの答えをくれた。



 誰かを守りたいから。


 誰かを殺したいから。


 幸せになりたいから。


 不幸にさせたいから。


 生きている実感が欲しいから。


 探し求めるものがあるから。


 失われたものを取り戻したいから。


 希望を灯したいから。


 絶望を与えたいから。


 

 あまたの人のあまたの答え。


 それは同じようでいて全てが違う。


 あまたの人の数だけあまたの答えがある。


 きっと風にもあまたの答えがあるのだろう。


 湧き出たあまたの疑問にも、あまたの答えがあるのだろう。


 そうしてあなたは思った。


 あなたはどうして生きているのだろうかと。


 あまたの答えを聞いたあなたは考えた。


 あまたの出来事が頭を過る。


 決して短くない時間を費やしたことにあなたは想いを馳せる。


 そうしてあなたは答えにたどり着くのだろう。


 

 『あまたのあなたのぶんだけ答えがある』


 これはあまたのあなたのものがたり。

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