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出発から3日目までは見渡す限りの草原が広がっていたが、4日目からは木々が生い茂る林の中を通り、さらに進んでいくとその木もまばらになり、逆に岩石が目立つようになっていった。6日目になると草木も生えていない、ほぼ岩山の中を進んでいた。
そして、7日目。私たちは岩山の中を進んでいた。
言い伝えではここに火竜がいると言われている。その火竜を探すために、まずは拠点となるキャンプ地を設営しないといけないが・・・。
「ねぇ、ここを拠点にするのがいいんじゃない?」
フィーナが見つけたのは比較的小さめの洞穴だった。その中央には焚き火をした痕があった。おそらく前に訪れていた冒険者達がここを拠点として使用していたのだろう。
3人が入るにはちょっと狭い気もするが、それでもこの洞穴を見つけられたことはラッキーだった。雨風をしのげるだけでも天と地の程の差はある。
ありがたく使わせて貰おう。この地を訪れた先人達に感謝しなければ。
8日目。
どこからか遠くから聞こえてきた咆哮で3人とも目が覚めた。今まで聞いたことがない声に思わず飛び上がってしまった。
「ねぇ、今のって・・・。」
「間違いないわ、火竜は絶対ここにいる!」
「じゃあ、手分けして探そう。どこかにヤツの巣があるはずだ!」
9日目。
昨日に引き続いて火竜の巣を探して岩山の中を探索していた。
そんな中、私は人二人並んで歩けるぐらいの広さの横穴を発見した。
中は真っ暗だがサウナのような熱気が吹き出していた。
もしかしたらこの先に火竜の巣があるのかもしれない。そう感じた私はフィーナとシンヤに伝えるため、一旦キャンプ地へ引き返した。
10日目。
「うわ・・・こりゃ暑いな・・・。」
「でも、この中だったらヤツがいるような気がしない?」
「そうね・・・他に手がかりも見つかってないし、入ってみる価値はあるかも。」
こうなったら覚悟を決めるしかない。
「でも、危険って感じたらすぐに引き返そう。」
3人は頷き、ランプに明かりを灯して熱風吹き出る洞窟の中に入っていった。
その直後。
「キャッ!」
「なに!?何があったの!?」
「あ、あれ!」
フィーナが指さした方には白骨化した骸骨が横たわっていた。
「これ・・・人だよね??」
「どう見ても、ここで死んだとしか思えないだろ・・・。」
ここで私は不吉な想像をしてしまった。
エルウィンの母親は日本からやってきた日本人で、エルウィンと同じ錬金術師になった。
彼女が日本に帰る方法を見つけ、その材料を探しにこの山にやってきた。
しかし、火竜との戦いで、いや、その途中で命を落とした。
その彼女の亡骸が先ほどの骸骨なのでは?
やばい、そう考えると冷や汗が出てきた。
そういえば、幸せを呼び白い花の件でも、日本に帰りたいと願った瞬間に花が枯れてしまった。
やばいやばいやばい!考えること全部悪い方に考えてしまう!
「雫、大丈夫?顔色悪いよ?引き返した方が良い?」
フィーナの声でハッと我に返った。
「だ、大丈夫、行こう。」
冷静になれ、冷静になれ、私・・・!




