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パーティーも終わり、ニルード王子の体も元に戻ったことを確認して、集まった各メンバーも解散。
私はリリカと一緒に後片付けを手伝い、エルウィンはソファーの上で横になり眠りにつこうとした。
と、ここで私はエルウィンの部屋の中で起きた出来事を思い出した。
「あ、そういえば、エルウィン。」
「ん?」
「あんたの部屋でこんな物を見つけたんだけど。」
私が差し出したのは、エルウィンの部屋の中を漁っていたときに偶然見つけたメモだ。
そのメモを私はポケットの中にしまっていた。
「ああ、これか。お袋が残していったメモみたいなんだが、見たことがない文字で、何て書いてあるのかわからねぇんだよ。」
「私、読めるよ。これ日本語だもん。」
「なんだと!?」
そのメモは日本語で書かれていた。
何故この世界に日本語が存在しているのか、気になって仕方が無かった。
エルウィンが帰ってきたらこのメモについて聞いてみたかった。何か知っているのかと思って。
「でも、書いてある内容がサッパリで。」
続けて、私は、そのメモに書かれている日本語を声に出して読み上げた。
それを聞いたエルウィンはソファーから飛び起きて、紙とペンを取り出す。
突然の反応に読み上げる声が止まってしまった。
「かまわん、続けてくれ。」
私は、メモの内容を声に出して読み続けた。
それと同時にエルウィンの筆も走り続ける。
そして、メモを読み終えた後、エルウィンはそのメモをしばらく見つめ、ゆっくりと声に出した。
「間違いない、これは錬金術のレシピだ。」
これには後片付けで忙しいリリカも反応した。
「これを使用するとどうなるんですか?」
「異なる世界への扉を開く。」
え、ってことは・・・?
「元の世界に帰る方法があるかもしれないってこと!?」
「確証はないが、可能性はある。」
「じゃ、じゃあ!私、材料取ってくるよ!何を取ってくればいい?」
「あほう、最後まで話を聞け。問題はその材料だ。大部分は今持っている物でなんとかなりそうだが、どうしても一つだけ難しい物がある。北西の山脈に火竜がいるという話は聞いたことがあるか?」
「あ、はい、言い伝えでは。決して近寄ってはならないと言われている所ですよね?」
当然私にとっては初耳である。
「必要なのはその火竜の目玉だ。」
・・・え?
「・・・まず、火竜に戦って勝てるとは思えないし、そもそも本当に火竜がいるのかどうかも分からない。」
「じゃ、じゃあ・・・」
「・・・まぁ、諦めろ。」
そう言って、エルウィンは再びソファーに横になった。
この話はここで終わったはずだった。
しかし、どうしても諦めきれない私は、このことをフィーナとシンヤに話し、北西の山脈探索の準備を開始していた。




