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「なにそれ、完全に反則じゃん。」
私はぼそっと呟いた。
「ああ、その通りだ。だが、このまま終わるのは面白くない。そこでだ。シズク、ちょっと耳を貸せ。」
「な、何よ。」
私はエルウィンに言われるまま、耳を向けた。そして、エルウィンの言葉を聞いた私は、思わず、
「ぷっ、ふふっ、ふふふふ」
吹き出してしまった。
「何々?雫だけずるーい!私たちにも教えてよ!」
「そうだな。みんなで今回のことを盛大に祝おうとするか!」
数日後、私たちはリーゼガングに戻ることになった。
ディルガントの錬金術師、いわゆるエルウィンの弟子達は、
「まだ傷薬しか教わっていません!」
と言ってまだ残るように連日説得をしていたが、
「お前たちは最高の傷薬を作れるようになった。それだけの実力があれば、あとは自分たちで何でもできるようになる。自信を持て。」
と言って、なんとかエルウィンも一緒に帰れるようになった。
ディルガントでしか手に入らない大量のお酒と大量の錬金素材と一緒に。
「リリカただいまぁ~!」
「うわっ!びっくりした!帰ってくるのが遅いから何かあったのかと心配でしたよ!」
「まぁ、実際いろいろあったんだけどね・・・。」
「リリカ、悪いが荷物が沢山あるんだ。ちょっと手伝ってくれないか?」
「師匠も帰ってきたんですね!」
久しぶりの再会にリリカも嬉しそうだった。
しかし、本当のお楽しみはこれからである。
「えっと、それじゃあ、ディルガント遠征お疲れ様および、みんな無事に帰ってきたということを祝って、乾杯!」
「「乾杯」」
その夜、エルウィンの家の居住スペースでパーティーが開かれた。参加メンバーはディルガントに向かっていた私とフィーナ、信也、アーカム、エルウィン、そしてリーゼガングで留守番をしていたリリカだ。
この席ではリリカの手料理、フィーナの持ち込み料理、ディルガントから持ち帰った大量の酒が振る舞われた。
「このお酒、おいしいねー!」
「ディルガントの高級銘柄らしいぞ。確か普通に買ったら・・・」
「うーん、何かゼロの数が多いような気がするけど・・・。」
「まぁ、小さい家一軒は買えるかな?おまえらもう二度と飲めない酒だから味わって飲めよ?」




