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私たちの目の前に現れたのは敵の騎馬隊だった。土埃を立ててこちらに向かってこちらに向かって走ってくる。その数は明らかにこちらの数より多い。確実に300以上はいるだろう。
そのとき、エルウィンは腰の鞄から緑色の液体が入った小瓶を取り出すと、目の前の敵の上に向けて放り投げた。
「シンヤ!あの小瓶を弓で撃て!」
「おい、いきなり無茶振りかよ!?」
それでも見事にあの小さな的に命中させてしまうのが信也のすごいところである。
小瓶は破裂し、中の緑色の液体は飛び散って地面に降りそそぐ。
そしてその上を敵の騎馬隊が駆け抜けようとする。
と、そのとき。
敵の足下から大量の植物が生えてきた。それも、とてつもないスピードで。
「な、なんだこの植物は!?」
「くそっ、絡みついて動けねぇ!」
完全に敵部隊を包み込んだ植物は敵の騎馬隊を行動不能にさせてしまった。
「見たか!俺の特製植物用栄養剤の力を!」
我々は完全にジャングルと化した一帯を避けて、敵の本拠地であるディルガント城へ向かって走り続けた。
「やるじゃん、エルウィン。」
「少しは俺を見直したか?」
「うん、ちょっとだけ。」
「もっと俺を敬っても良いんだぞ?」
「調子に乗るな!」
「いてっ!」
私はエルウィンの脇腹にパンチを一発お見舞いした。
そして私たちはディルガントの城下町の門の前までたどり着くことができた。ここまでお互い1人も犠牲者を出さずに。
「よし、ここから先はアーカム、この部隊の指揮はお前に任せる。ディルガント城までの進路を確保し、シズク達を城内へ導くんだ。そしてシズク、お前が敵の大将、ローゼリッテを討て。」
「ちょっと待って、あんたはどうするのよ!」
「俺は別の用事があるんでな。ここからは別行動とさせてもらう。・・・たぶん大丈夫だとは思うが、念には念を入れて・・・な。
そしてアーカムは口を開く。
「・・・わかった。リーゼガングの錬金術師殿には何か策があるんだろう。後のことは我々に任せてくれ。」
「理解が早くて助かるぜ。それとシズク、ローゼリッテを討ち取ったらこれを地面に叩きつけてくれ。信号弾だ。」
「もう、勝手なんだから・・・」
私がそうつぶやいたときには、アーカムはすでに行動を起こしていた。
「よし、全軍、突撃開始!ディルガント城までの進路を確保するんだ!」
いよいよディルガント攻城戦の開始である。




