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異世界のアルケミスト  作者: 多岐川ノリ
錬金術師の意思
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12

 その時は突然訪れた。

 「お前ら!敵が出撃した!俺たちも出るぞ!」

 エルウィンが私たちの部屋に入るなりそう叫んだ。

 大丈夫、もう準備はできている。

 私たちはエルウィンの後に続いた。




 「ちょっと、エルウィン。」

 「ん?なんだ?」

 馬小屋の前でエルウィンが馬に跨がろうと言う所で、私はエルウィンに話しかける。

 「私、馬に乗ったことないんだけど。」

 「・・・ちっ、仕方が無いな。俺の後ろに乗れ。」

 「でもそれじゃあ、剣使いづらいんだけど。」

 「大丈夫だ。俺の作戦がうまくいけばお前の剣なんて必要ねぇよ。少なくとも敵の城まではな。」

 「・・・わかった。エルウィンを信じる。」

 そう言って私はエルウィンの後ろで馬に跨がると、両腕でエルウィンの体を抱きしめるようにしがみついた。


 「おい、俺も馬に乗ったことないぞ。」

 そう叫ぶ信也。

 「私は無理よ。一人で乗るのが精一杯だから。」

 まぁ、日本人なら当たり前か。騎乗経験があるフィーナの方がどちらかというと特別なほうだろう。

 「じゃあ俺の後ろに乗れ!」

 そう叫んだのはアーカムだった。

 「わかった!」

 そう言ってアーカムの後ろで馬に跨がる信也。


 「よし、全員準備はできたな!?出発するぞ!」

 「「おーっ!!」」

 そう言ってエルウィンは馬を走らせ、ビルガス砦を飛び出すと、それに続いてフィーナとアーカムが、その後ろにエリス配下の兵士100人が続く。




 「ねぇ、エルウィン。」

 「なんだ?」

 私は前を向き馬を走らせ続けるエルウィンに話しかけた。

 「この少人数で勝てるの?」

 「・・・ああ、十分だ。あいつらはエリス将軍の配下でそれなりの実力を持っている。それに頼もしい仲間がいるからな。同じ人数ならこっちの勝ちだ。それに、人数で負けていても俺には秘策がある。」

 そんな会話を交わしている内に、目の前に敵の軍勢が姿を現した。

 「俺は錬金術師だ。錬金術師の戦い方をシズクに見せてやるよ。期待してくれ。」

 そう言ってエルウィンはこちらを向いてニヤッと笑った。

 そこまで言うのなら信じるしかない。

 「・・・期待するわ。エルウィン。」


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