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「いや、エリスは私の側にいて欲しい。私は不安なのだ。一人でいるのが。これまでもそうだったように、これからも変わらないだろう。私はエリスを失いたくはない。たとえこの戦いに勝利したとしても。」
「シェルド様・・・。わかりました。私はここに残るとします。その代わり、私の部下の精鋭部隊100人を同行させましょう。」
「ありがとう、エリス。」
「・・・それでも敵がこの砦に到着してから出撃するのも遅すぎるな。敵が城から出撃したのを確認しましたら、こちらからも出撃した方が良いでしょう。」
そう口を挟んだのはエルウィンだった。
「ちょっと危険な気もするが・・・君も何かの考えが合ってのことだろう。出撃のタイミングは君に任せるよ。」
「シェルド皇太子はエリスさんの事を信頼していらっしゃるのね。ああいうのあこがれちゃうなぁ。」
シェルド皇太子の部屋から出た私たちは戦いの準備のために、自室に戻る。その途中で私は思わず声を漏らした。
「そうね・・・私のカンだと・・・あの二人、将来付き合うと思う。」
その声にフィーナが反応する。
「でしょでしょ?私もそう思ってたんだーただならない関係じゃないかって。」
「お前ら、変な小説の読み過ぎだろ。」
フィーナとの会話に信也が割り込んできた。
「なによー夢がないわね。」
「悪かったな!」
「ね、エルウィン?」
と私はエルウィンの方を見る。だがエルウィンは深刻な顔で、顎に手を当て、何か考え事をしているようだ。何か小声でブツブツとつぶやいているようにも見える。
「ねぇ、エルウィンたら!」
と、私はエルウィンの肩に触れる。
「ん?あぁ済まない、考え事をしていた。」
「・・・もしかして、敵の拠点にたどり着くまでに敵部隊に遭遇してしまったらどうするか、を考えていたの?」
「・・・いや、それについては問題無い。対策はもう準備できている。問題はその後かな。」
「気になることがあるのなら話してくれないか?一人で考え込むよりみんなで問題を共有しておいた方が良いだろう?」
そう話したのはアーカムだった。
「そうだな・・・。お前たちがこれから戦おうとしている相手、ローゼリッテ皇后は・・・俺と同じ錬金術師だ。」
・・・マジ?
「まぁ、お前たちなら大丈夫だろ。錬金術師である以上、どんな罠を仕掛けてくるかわからんが、接近戦になれば十分に勝ち目はある。当然だろ?俺みたいに錬金術も剣も一流に使いこなせる人間のほうが希なんだ。」
まぁ、それはわかるけど。
「簡単に言えば、剣の扱いに慣れているお前たちの方が有利と言うことだ。」
・・・とそんな話をしているうちに私たちの部屋にたどり着いた。
「さて、いつ敵が仕掛けてくるかわからない。いつでも出撃できるように準備をしておけ。わかったな。」
そう言い残してエルウィンは私たちとは別の、自分の部屋へと戻っていった。




