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次の日。
私は町中の異変に気がつき宿屋のベッドから飛び起きた。
明らかに様子が変だ。窓から外を見ると、大勢の人々があちこち動き回っている。いや、動き回っているのは普通のことだ。明らかに違うのは動き回っているのは兵士らしき人物だ。私の冒険者としての勘が働いている。これから何か起ころうとしている。
私は隣で寝ているフィーナを起こそうとし、体を揺すった。
「起きて!フィーナ!」
「うーん、どうしたの?こんな朝早くから・・・。」
・・・フィーナはこの異変に気がついていないようだ。
「街の中の様子が変なの!だから早く起きて!」
「・・・もー何なの・・・?ん?なんか外が騒がしい感じがするけど・・・。」
とそのとき、部屋の外からドアを叩く音が聞こえた。
「シズク!フィーナ!いるか!?」
この声はアーカムだ。
こういうときは一刻も早く仲間と合流するべきだ。私はドアを開けた。どこにはドアを叩いていたアーカムと、アーカムと同じ部屋で寝ていた信也がいた。
「起きていたか、シズク、外の様子がおかしい!」
やはりアーカム達も街の異変に気がついていたようだ。
「うん、でも一体何が起きているの?」
「俺にもわからない。嫌なことが起きなければ良いんだが。」
「・・・どうする?こういうときはどうすれば良いの?」
「・・・最善なのはこの町から出て行くことかな。」
「・・・そうね。エルウィンにお別れできないのが残念だけど。」
「残念だけど~?」
「ちょっと、フィーナ、顔が近い!ただ黙って帰るのも悪いなーって思っただけよ!」
と、ここで、廊下の方から誰かが走って近づいてくる足音が聞こえた。その足跡は。私たちのへの前で止まると、勢いよく扉を開けた。
「みんな、いるか!?」
私たちの目の前に現れたのは、息を切らしたエルウィンだった。
「エルウィン!一体何が起こっているの!?」
「細かく話している時間は無い!一つ俺の質問に答えてくれ。錬金術は何のためにあると思う?」
「うーん・・・。」
少し考える私たち。最初に口を開いたのは私だった。
「人を助けるため?実際今までもエルウィンの錬金術アイテムに助けられたし。」
「私も同意見。」とフィーナ。
「俺も。エルウィンのおかげでエルフの村は救われたからな。」と信也。
「なんだ。みんな同じか。」とアーカム。
「わかった。もしお前たちに戦う意思があるならここから東にあるビルガス砦へ向かってくれ。戦いたくなければこのままリーゼガングに帰るんだ。」
そう言ってエルウィンは部屋を出ようとする。
「待って!エルウィンはどうするの!?」
そう言って私はエルウィンを呼び止めた。エルウィンは後ろを振り返り、こう答えた。
「俺には錬金術師の弟子達がいる。俺は彼らを連れてビルガス砦へ向かう。最後まで面倒を見る責任があるからな。」
そう言い残してエルウィンは部屋を飛び出した。
「どうする?」
そう問いかけてきたのはフィーナだった。勿論答えは決まっている。
「行こう。ビルガス砦へ。」
その言葉にみんなも静かにうなずいた。




