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言い出しっぺであるフィーナの行動は早かった。
私は朝から工房のリビングで遅い朝食を食べていた。最後にフィーナと会ってから二日後の朝だ。リリカは昨日から徹夜で工房に籠もって調合作業を行っている。
こうなっているリリカは、よっぽどのことがない限り仕事場の外には出てこない。今朝もおなかを空かせて仕事場の外に出てきて、朝食を簡単に済ませたらまたすぐに工房に籠もってしまった。
私はというと、特に仕事は入れていないので、今日はのんびりすることができる。お金は十分にある。エルウィンがディルガントに向かって以降、リーゼガングから補助金を受け取っているし、リリカの調合した錬金アイテムも出荷できるレベルまでに達している。そのため、思っている以上に蓄えもできた。
さて、今日はなにをしようかな。
久しぶりに剣を鍛え直してもらおうかな、と思っていた矢先。
遠くから馬車の走る音が聞こえた、と思ったら、その音は私のいる工房の前で止まった。
何かと私が表にでてみると、そこにはフィーナ、信也、アーカムの姿があった。・・・要は「いつものメンバー」だ。
「ちょっと、いきなりどうしたの?」
「へへ、馬車を調達してきた。」
笑顔で答えるフィーナ。私はまだ要領を得ていない。私はさらに訪ねる、前に、フィーナが話し出した。
「言ったでしょ。ディルガントに行こうって。だから馬車を調達してきたの。この馬車でディルガントにいるエルウィンに会いに行くわよ!」
「え?・・・ええええええええ!?」
あまりの出来事に私は突拍子もない声を上げてしまった。
その声を不信に思ったのかリリカまでも仕事を中断してまで工房の外に出てきてしまった。
「・・・というわけで、エルウィンに会いにディルガントまで行くことになったの・・・みたい。」
「そうですか。」
リリカは淡々とした返事をした。
「リリカは行かないの?」
「私は仕事があるので。」
確かにリリカは今多数の仕事の依頼を受けている。
「とりあえず材料はしばらく保つだけの量はあります。なので、安心して行ってきてください。・・・あ、そうだ。師匠に見せてほしいものがあるんです。」
そういってリリカが取り出したのはリリカが調合した傷薬だ。
「これを師匠に見せてください。そして、師匠の評価を聞いてきてほしいんです。」
「・・・うん、わかった。アイツにこの傷薬の出来映えを聞いてくればいいのね。」
「お願いします。」
そういって私はリリカから傷薬を受け取った。
「これで準備はばっちりね。」
「ええ、行きましょう、ディルガントへ!」




