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「うん、これならうちの工房でも十分使えるよ。早速なんだけど発注良いかな?」
ポニーテールの赤髪の女性、リーズは満面の笑みを浮かべ、私が持ち込んだインゴットを見つめてこういった。
「よかったー。これならリリカも大喜びだよ!」
「そうか、これ、あのお嬢ちゃんが作った物か~。エルウィンがいなくなってからどうなるかと思ったけど、うまく引き継ぐことができたもんだ。良い跡継ぎができたもんだよ。」
「私もいきなりエルウィンがリリカに引き継がせるって聞いたときはどうなるかと思ってたわ。だって、エルウィンって、リリカに仕事のこと何も教えずにいたから。」
「へっ、そうなのか?」
「そうなの。でも仕事場の本棚の中にエルウィンが書いたメモがあって、それが決め手になったみたい。いままで試行錯誤で、それでもうまくいかなかった調合がそのメモをリリカが見てからものすごい短期間で腕が上がって。ようやく錬金術の仕事も引き受けることができるようになったんだよ。」
「それはやっぱりリリカに才能があったからなんだよ。才能が無かったらこんな短期間でここまでできるわけがない。」
「うん、私もそう思う。あっ、そろそろ帰らないと!リリカがお腹を空かせて待っているから!」
「おう、気をつけてな!」
「リリカ、お待たせ!」
私は工房の扉を思いっきり開けた。
「ごめん、今からご飯作るね!」
「あい、いや、大丈夫ですよ。まだお腹空いていませんし。」
リリカがそう言った瞬間、リリカのお腹から腹の虫の鳴き声が聞こえた。
「ははは、やっぱり体は正直だね。まってて、すぐに作るから。」
「あ、私も手伝います。」
「大丈夫?錬金術の仕事で疲れているんじゃないの?」
「大丈夫ですよ。こんなの疲れている内に入りません!」
そう言ってリリカは野菜を切り始める。
「そうそう、リーズさんもリリカの作ったインゴット、良くできているって褒めてたよ。それでね、早速だけど仕事の発注もらってきた。」
「ホントですか!よかった・・・これでやっと師匠に追いつくことができた・・・。」
「それにしてもこんな短期間でここまでできるなんて思ってなかったよ。」
「・・・これも師匠が残してくれたノートのおかげです。アレがなかったら私はいつまで経っても上達はできなかった。
「でもあんなメモがあるなんて。出発前に伝えてくれれば良いのに。」
「でもその前に勉強していたことも無駄ではなかったですよ。あのときに知識を蓄えることができたから、師匠のメモもすぐに理解できたんです。」
「へーそうなんだ。」
「さて、食事か終わったら早速仕事に取りかからなくちゃ!」
「そのためにもしっかり食べて栄養付けないとね。
「はい!」
「師匠、今頃どうしているかな・・・。」




