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王子が放った一言。
その場にいた全員がその言葉に凍り付いた。
戦争。
私たちの国日本ではすでに60年以上も戦争は行われていない、平和な国だ。
遠い国では未だに戦争のような戦闘は続いてはいるが、まるで他人事のように無関心でいた。
戦争が起こると言うことはこのリーゼガングの街が戦場となるのか?それだけは避けてもらいたい。この平和を乱すような事はあってはならないのだ。ニルード王子や王国の役人達もそのような状態は避けるようにいろいろと手は打ってあるのだろう。
いや、ちょっと視点を変えてみる。
私の今の職業は傭兵だ。
戦争になれば戦いの機会が増える。
そうすれば我々傭兵にとっては絶好の稼ぎ時だ。
下手すれば命を落としかねないことにもなるが、運が良ければ大金持ちになる。それに私自身もこれまでの経験で戦闘の腕は上がった。そう簡単に死ぬはずがない。
やってやろうじゃないの。相手はどんな国か知らないけどやってやる。
「ディルガントが攻めてきたら・・・勝てる見込みはあるんですか?」
リリカがニルードに訪ねた。
「いや、無いね。」
ニルードは即答した。
「そうだな。あの国はこの地域では最強の軍事国家だ。攻めてきたら確実に負けるだろう。戦力の差が大きすぎる。」
と、すかさずエルウィンが口を出す。
「物資の量、兵器の量、兵士の数。どれをとってもこの国を上回る。あの国と真っ正面から戦おうなんて国はありはしない。」
いや、まって、傭兵として戦うにしてもスポンサーのリーゼガングが滅びたらお金どころじゃないじゃん!これはまずいよ!
「戦いを、避ける方法はないんですか?」
私はニルード王子に訪ねた。
「いろいろ策は考えたけどね・・・いま国の上層部で対応を協議中だよ。でもたぶん相手の要求をすべて飲み込む事になるだろうね。」
「相手の・・・要求って?」
「・・・エルウィンをディルガントに送り出す。」




