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俺はリーゼガングの工房に戻るとすぐに仕事場へと向かった。まずは治療薬となる薬の調合レシピを探し出した。
レシピは30分も経たないうちにすぐに見つかった。俺が使用している、錬金術のレシピをメモしている冊子を読み返したらそんなに時間もかからず見つけることができた。
あとは素材の在庫の確認だが・・・。
材料をストックしてあるコンテナの中を覗いてみる。
・・・おそらくこの分だとせいぜい7人分程度しか作れないだろう。俺はすぐさまリリカに指示を出す。
「リリカ、材料が足りない。至急ウォルフ騎士団長を呼んでくれ。」
「わかりました!」
そう告げるとリリカはすぐに工房を飛び出した。
待っている時間も惜しい。俺は残っている材料で薬の調合を始めた。
「師匠!ウォルフ騎士団長を呼んできました!」
仕事場の外からリリカの叫び声が聞こえた。思ったより来るのが早い。俺は調合作業を中断し、工房の外で待っているウォルフ騎士団長の元へと急いだ。
「すまない、こんな時期に。」
「リリカの慌てようが尋常じゃなかったからな。大急ぎで来たよ。それで、用件は何だ?」
「エルフの村で5年前の病気が流行している。シズクもその流行病にかかって、エルフの村で看病してもらっている。30人分ぐらいは薬を確保したいが、今ある在庫では7人分しか作れない。採取を手伝ってくれないか?」
「ふむ、シズク殿がその病にかかったとすれば一大事だな。わかった、すぐに採取に出かける部隊を編成しよう。」
「よろしく頼む。リリカ、ここに材料と必要な量を書いたメモがある。これだけ材料を集めてくれ。」
「わかりました師匠。ではウォルフ騎士団長、よろしくお願いします!」
「わかった。よろしく頼む。」
そう言って、ウォルフ騎士団長とリリカは工房を後にした。
俺は再び工房の仕事場に篭もって作業を続ける。
俺の工房に材料が運び込まれたのは期限の2日前だった。
「すまない、なかなか材料が手に入らなくて時間がかかってしまった。」とウォルフ騎士団長の弁。
「いや、後は俺たちで何とかする。すまない、ウォルフ騎士団長。」
「なんの。無事、シズクを助け出してくれ、彼女にはまだまだ活躍してもらわなければ困る。」
「了解した。」
そう告げるとウォルフ騎士団長は一礼して工房を後にした。
「リリカ、時間が無い。お前にも調合を手伝ってもらうぞ。」
「・・・はい!」
「・・・なんか嬉しそうだな。」
「はい、嬉しいです!・・・だっていままで師匠の調合の仕事を手伝ったことはありませんから!」
「そうだったか・・・?まぁいい、まずはこの草をだな・・・。」
こうして俺たちは期限ギリギリまで調合作業を続けた。




