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「間違いない。以前リーゼガングで流行りだした伝染病だ。」
俺はリリカに告げた。
「リリカ、シンヤを呼んでくれ。話がある。」
俺はシンヤにシズクの病状を伝えた。
「そうか・・・実はそのことで長老がお前を呼んでいる。一緒に付いてきてくれるか?」
「いいだろう。直接長老に話した方が話が早い。」
俺はシンヤに連れられ、エルフ族の長老のいる小屋へと向かった。
たどり着いたのは他のエルフ族が住んでいる小屋とは少し大きめの小屋だった。
中に入ってみると、そこには他のエルフとはほとんど外見上はほとんど変わらないエルフが一人座っていた。エルフは長寿の種族として知られている。おそらく外見は変わらずとも俺の数倍は生き続けているエルフなのだろう。
俺は長老らしきエルフの前に座ると長老のほうから話しかけてきた。
「貴様が外から現れた人間だな。」
「そうだ。」
「ふむ・・・実はお前たちがこの地に現れてから村のエルフ達が原因不明の病に倒れ得るものが続出している。我々の中にはお前たちが持ち込んだ厄災だと叫ぶ者もいる。そこで私は決断をしなければならない。お前たちには即刻この村から・・・。」
「待ってくれ。」
俺は長老の話を遮った。
「俺はこの病を知っている。そして、この病に効く薬も知っている。俺に少し時間をくれないだろうか?その間シズクを人質として置いてもらっても構わない。どうだろうか?」
エルフの長老は俺の話を聞いて少し考え、そして静かに口を開いた。
「どれくらい待てば良い?」
「エルフの病人は何人だ?」
「今のところ15人だ。」
「・・・一週間だ。それまでに薬を持ってこの村に戻ってくる。それでどうだ?」
「・・・わかった。その代わり一週間経っても戻ってこなければあの娘の処遇はこちらの自由にさせてもらう。それで良いな?」
「いいだろう。」
俺は即答した。
「時間が無い。すぐにこの森を発つ。では。」
そう言って俺は長老の小屋を出た。
小屋の外にはシンヤとリリカが俺が小屋から出てくるのを待っていた。
「ど、どうだったんですか、師匠?」
「・・・リリカ、すぐにリーゼガングに戻って薬の調合を行う。これから増える患者の事を考慮して30人分は用意しよう。シンヤ、それまでシズクのことを頼む。」
「・・・任せておけ。今回の事はお前たちを連れてきた俺にも責任がある。せめて途中まで送っていこう。」
こうして俺たちはエルフの村を後にした。




