18
今の時間は深夜。私はリリカを連れて第二の城壁の中、リーゼガングの市街地の中にある酒場へと向かっていた。目的はただ一つ。酒場にいるエルウィンを連れて帰ることだ。
「たのもーっ!」
私は勢いよく酒場の扉を開ける。
「あ、いらっしゃーい!」
それと同時に聞き覚えのある女の子の声が聞こえた。
その声の方へ視線を向けると・・・
「あれ?フィーナ!?」
「へへ。久しぶり。」
フィーナが大量の酒を注いだジョッキ、数にして両手に8つぐらいか。それを持って酒場の中を駆け回っていた。
「好きなところへ座ってよ。もうちょっとで手が空くからさ。」
「う、うん。」
そう言って私は周りを見渡した。
いた。エルウィン。私のターゲット。そしてその向かいにはアーカムまでいる。
「よぉ、シズク、お前も飲んでいくか?って痛ってえなあ!」
私はすかさずエルウィンに力一杯脳天にチョップを食らわせた。
「あんたねぇ、せっかく稼いだお金をまたお酒に使って!」
「いいだろ、俺が稼いだお金だ。」
「私が稼いだお金も含まれているわよ!」
「じゃあ、お前も飲んでけば良いだろ。ってぇ!」
私はもう一発チョップを食らわせた。
「まあまあシズク、とりあえず落ち着けよ。」
そこにアーカムが口を挟んだ。
「アーカムは黙ってて!これは我が家の問題だから!」
「あ、いや、俺、エルウィンさんの奢りで飲んでます。ごちそうさぶあっ!」
私はアーカムの顔面に裏拳をお見舞いした。
「ちょっと雫!」
そこにフィーナがやってきた。
「あ、ごめん、ちょっと家庭の家計の問題で。」
「もう、今日は私の奢りにしてあげるから、雫も落ち着いて飲んでってよ。」
「む、そ憂宇事なら遠慮無くってだから痛いんだよ!」
私は三度エルウィンにチョップを食らわせた。
「ちょっとは遠慮しろっつーの!」
「でもなんでフィーナがここで働いているの?」
私はビールを喉に流し込みながらフィーナに訪ねる。
「うん、これからのことを考えたんだけど、とりあえず、働いて生活費を稼がなくちゃ行けないと思って。そうしたらここの酒場で住み込みで働かせてくれるって。」
「フィーナちゃんがきてから売り上げが上がって儲けもんよ!フィーナはうちの看板娘だな!」
と、酒場のマスターはガハハと笑いながらそう話した。
「それに酒場なら、いろんな人達が集まるでしょ?それなら私たちが日本に帰る方法を聞き出せるかなって。」
「なるほど!フィーナって頭良いかも!」
「あ、それと私も傭兵業も請け負っているから。人手が足りなくなったら読んでよ。マスターにも話してあるからさ。」
「うん、わかった。でもフィーナを危険な目に遭わせることはしないよ。」
「ありがと。それじゃあ、何かわかったら情報交換といきましょ。」
「了解!」
こうしてこの日は夜明け近くまで酒を飲みながら語り合った。




